俳優の岡田将生が21日、都内で行われた映画『伊藤くん AtoE』(2018年1月12日公開)完成披露試写会に共演者の木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆、中村倫也、田中圭、そしてメガホンをとった廣木隆一監督とともに登壇した。

前列左から、佐々木希、岡田将生、木村文乃、田中圭、後列左から、廣木隆一監督、志田未来、池田エライザ、夏帆、中村倫也

原作は2013年に出版された柚木麻子氏の連作短編集で、第150回直木賞候補にも選出された作品。容姿端麗だが自意識過剰の無神経な"痛男"伊藤誠二郎(岡田)と、伊藤に振り回される女たちを毒づきながらも自身もだんだん伊藤に追い詰められていく"毒女"矢崎莉桜(木村)が繰り広げる恋愛ミステリー。岡田と木村のダブル主演作となっている。

これまで岡田が演じてきた役の中で、伊藤というキャラクターはかなりのクズ男。イメージを覆すような役柄となるが、岡田は「こういう役を望んでいたので、いいタイミングでラッキー。思っていた以上にヤバイ男」といい、「いままでと違う役をやりたかった。こんなにクズでダメなアホなやつとこの夏過ごせたので気持ちよかった」とご満悦だった。

伊藤に振り回される女を演じた女優陣は、それぞれ「この野郎って思っていたよ」(木村)、「すごく嫌な気持ちになりました」(佐々木)、「圧迫感がすごい」(志田)、「関わりたくない」(池田)、「傷つきました、すごく…」(夏帆)と"口撃"。岡田は「カットがかかるたびに、皆さんが小さな声で『きもちわりっ!』って言うんですよ。心が『うっ!』ってなるんですが、伊藤であって俺ではないと言い聞かせていました」と苦笑しながら振り返った。

"痛男"にちなみ、舞台挨拶では痛いエピソードを披露した岡田。「休みの日に車を運転していて、細い道を走っていた。そしたら10人くらいの小学生に囲まれて『見たことある!』『出てきて!』って言われて。『名前なんだっけ?』と聞かれたのでずっと下を向いて、すごく小さな声で『岡田将生です…』って言いました。本当に悲しかったですよ…」と泣き出しそうな顔で振り返っていた。

また同作で岡田は、木村と初共演。互いの印象を聞かれると「クランクイン前に監督やスタッフを交えての食事会があって、その時にお互いマンガが大好きでずっとマンガの話をしていた。それで仲良くなりました」と告白。木村も「今日も顔合わせてからずっとマンガの話していました。岡田さんが私がおすすめしたマンガ読んでくれたり」とうれしそうに話した。