日本の寒さ、外国人はどう感じている?

師走が近づくにつれ日ごとに気温が下がってきて、街でもコートやマフラー姿の人が目につくようになった。気象庁の3カ月予報(10月末時点)によると、今冬(11~1月)の気温は平年並みとなりそうだ。日本人にとっては「当たり前の冬の寒さ」となりそうだが、海外から来た外国人は日本の寒さをどのように感じているのだろうか。

今回は、日本在住の外国人20人に「日本と母国の冬の寒さ」に関するアンケートを実施した。さらに日本古来の冬支度といえば、ついつい長居してしまうこたつや分厚くて温かいどてら、近頃ではあまり見なくなった火鉢などがあげられるが、外国の寒さ対策には何があるのだろうか。併せて回答してもらったので紹介していこう。

Q. 日本の冬の寒さは母国と比較して厳しいかどうか教えてください。また、母国に伝わる伝統的な寒さ対策があれば教えてください

母国のほうが寒い

・「日本の方が穏やかな気温ですね。対策は顔をクリームに塗る、あったかい服を着る、飲み物とかです」(ポーランド/30代前半/男性)
・「私の州は冬が寒くて雪は危険なほど積もるので、私にとって大阪の冬なんて秋みたいなもんです。寒さ対策は、とりあえず肌が出ないようにするのがポイントです! 目しか出ていないよう、スキーマスクをかぶることもあります」(アメリカ/30代前半/女性)
・「北イタリア出身の私にとっては、イタリアのほうが寒いです。毎日マイナス5℃~マイナス10℃まで下がります。北海道に似ているとよく言われていますね。寒さ対策は特にありません。たくさんのブランケットを使うこと以外は! 」(イタリア/20代前半/女性)
・「最近は母国も氷点下まで下がるので、寒さが厳しいです」(パラグアイ/50代/女性)

日本のほうが寒い

・「日本の方が寒いです。雪まで降るし。香港はそんなに寒くないから、対策しなくてもいけます」(香港/20代後半/男性)
・「日本の方が寒さは厳しいです。タイの田舎の方では、たき火をして暖を取ります」(タイ/40代前半/男性)
・「日本の冬は寒いですね。インドではチャイなど温かい飲み物を飲んでいます」(インド/30代前半/男性)
・「東京の冬は故郷より厳しいです。母国で利用される伝統的な対策と言えば、煙突のそばに座ること」(スペイン/30代前半/男性)
・「日本の寒さは厳しいです。寒いときには酒を飲みます」(ペルー/40代前半/女性)
・「外の温度はそこまで下がらないけど(ハンガリーはマイナスの気温も結構ある)、施設などに暖房器具やセントラルヒーティングなどが普及していないせいで、日本では部屋にいても寒い思いをします。小学校にもほぼ暖房器具なしってことは、ハンガリーで考えられない。ヒーティングシステムが普及しているので、特に寒さ対策は要りません」(ハンガリー/30代後半/女性)
・「フィリピンではあまり寒い日がありません。そのため、寒さ対策は長袖を着る外は特にありません」(フィリピン/30代後半/女性)
・「日本の方が寒いです」(オーストラリア/30代後半/女性)
・「実家は寒いといっても、25度程度です」(スペイン/40代前半/女性)

その他

・「住まいは北海道。かなり寒いです。シリアの冬の方が暖かく感じるかもしれませんが、日本と違ってシリアは雨が冬にしか降りません。冷たい雨が冬の寒さを増してさらに寒く感じさせます。対策は服装と、絨毯やカーペットを利用するぐらい」(シリア/30代後半/男性)
・「地域によって冬の厳しさは違います。日本も同じです。母国にはセントラルヒーティングが一般的であり、室内は暖かいです」(ドイツ/30代前半/男性)
・「日本の冬の寒さは厳しいが、耐えられないことはないです。母国は暑い国なので、寒いところはあまり好きじゃないです」(カンボジア/20代前半/男性)
・「エジプトの冬は日本の秋ぐらいの気温でして、それほど寒くはありません」(エジプト/30代前半/女性)
・「厳しいと思う。なぜかわからないけど、ロシアと同じぐらい寒い。たぶん湿度の問題かもしれません。対策について、ロシアの全部の家はセントラルヒーティングがあるから寒さは問題じゃない」(ロシア/20代前半/男性)
・「寒さは同じぐらい。対策は温かいものを食べる、コートを着るくらいです」(中国/20代前半/女性)

総評

冬の寒さが厳しい地域では、やはり日本と同じように「温かいものを食べる」「コートを着る」など、日本と変わらない対策がされていることがわかった。ただ、ロシアなど単純な気温の比較であれば母国のほうが寒そうなケースであっても、セントラルヒーティングの普及により母国のほうが寒さを意識せず、逆に日本のほうが寒く感じるという回答もみられた。セントラルヒーティングの普及は日本ではなかなか難しそうなので、各自で寒さ対策をするしかなさそうだ。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2017年7月23日~2017年8月23日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート