※2008/10/30掲載記事の再掲です

最近は、自分の携帯を海外でそのまま使えるんだとか。でも、それってどの携帯でも使えるの? 使える国は? 料金はどうなるの?

3Gケータイがグローバル化の道を開いた

日本の携帯電話の端末をそのまま海外で使えるのは、「国際ローミング」という機能による。日本の携帯会社が海外の通信会社と提携することで、現地の通信網を利用できるというものだ。

現在、日本の携帯は第3世代携帯電話(3G)が主流だ。その前の第2世代では日本独自の方式(PDC)を採用していたため、海外の通信網とは互換性がなかった。3Gになって世界共通規格が採用されたため、多くの国でそのまま使用することが可能になったのだ。

ただし、世界的にみると3Gの普及は日本ほど進んでいない。海外ではまだGSMと呼ばれる従来の規格が主流だ。そこで、日本の携帯各社では3Gに加えてGSMにも対応できる機種を用意している。これらの端末を使えば、かなり幅広い国や地域で、「そのまま利用」が可能になる。

つまり、海外でそのまま使うには、国際ローミングに対応した端末を使用することが条件だ。NTTドコモやソフトバンクでは、最近の機種ならほとんど対応しているが、auの対応端末はごく限られた機種だけ。それ以外の端末利用者は、対応機種をレンタルして自分の携帯のICカードを差すことで、日本で使っている番号やアドレスをそのまま使えるようになる。

行く先ごとに使える端末が違う

ここで注意が必要なのは、先に書いたように国際ローミングにも3GとGSMの2種類があり、国や地域によって利用できる規格が異なることだ。「国際ローミング対応」の端末でも、ドコモやソフトバンクの3Gローミング専用は北米や中国ではほとんど使えない。逆にGSMローミング専用は韓国では使えない。また、エリアによって、通話はできてもメールやネットが使えない場合もある。各携帯各社のサイトでは、自分の端末と行き先ごとに対応状況を確認できるので、個別にチェックしておこう。

国内と比べて料金がかさむ点も要注意。通話料が割高なのに加え、着信時も料金がかかるし、現地での国際ローミング同士の通話には国際電話の料金がかかる。NTTドコモ広報によると、「着信制限やメールの添付ファイルを受信しないなど、出発前に設定を変更しておくことをおすすめします。また国際ローミングに対応していない機種でも、現地で紛失するとICカードを抜き取られて悪用されることがあるので、カードに暗証番号を設定しておくと安心です」。

手軽に利用できる反面、国内とは違う制約や危険もある。海外に持ち出す前にしっかり調べて、賢く使いこなしたいものだ。

文●永井祐子(エフスタイル)