本田技研工業(ホンダ)の英国現地法人、ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、2017年フランクフルトモーターショーにて「Urban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト)」を世界初公開した。あわせて欧州で今後発売されるすべての新型モデルに、ハイブリッドを含めた電動化技術を搭載することを発表した。

ホンダ「Urban EV Concept」

「Urban EV Concept」は、新開発のEV専用プラットフォームを採用し、将来の量産EVモデルの技術とデザインの方向性を示すコンセプトモデル。このモデルをベースとした量産EVを2019年に欧州で発売する予定だという。

エクステリアは同社のスモールカーが作り上げてきた"キビキビした走りの楽しさ"と"愛着を感じる親しみやすさ"をシンプルに、アイコニックに表現。ローアンドワイドのシンプルで洗練された佇まいで、欧州仕様の「ジャズ」(日本名「フィット」)より全長が100mm短く、都市の移動に最適なコンパクトサイズとした。車両のフロント部分には充電状況やドライブへの助言、挨拶などを多言語で表示できるディスプレイを設置した。

インテリアはリビングルームのような心地良い空間と大型ディスプレイの採用に加え、AI技術を用いた「Honda Automated Network Assistant」で"人とクルマとの新しい関係性"を提案。ダッシュボード両サイドのスクリーンはサイドミラーの機能として車両外部に取り付けられたカメラの映像を映し出し、ダッシュボード上のスクリーンには航続可能距離を始めとした走行情報のほか、「Honda Automated Network Assistant」によるパーソナルコンシェルジュ機能により、ドライバーのライフスタイルや過去の行先、嗜好を学習して状況に応じた提案をする。

また、ドライバーの表情や声の調子からストレス状況を判断して安全運転のサポートを行うなど、ドライバーとモビリティーの自然なコミュニケーションを実現している。

フランクフルトモーターショーでは、効率的なエネルギーマネジメントを実現する「Honda Power Manager Concept(パワーマネージャーコンセプト)」も同時に発表。「Honda Power Manager Concept」はモビリティーと暮らしをつなぐパワーコンディショナーで、太陽光などの再生可能エネルギーや燃料電池車によって発電した電気と系統電力をやり取りし、家庭・EV向けに必要に応じた充放電を行う。同社はフランス政府が主導するSMILE(SMart Ideas to Link Energies)プロジェクトに参加し、フランス西部で2020年までに展開される実証実験に「Power Manager」を提供するとのこと。