JR貨物は5日、電気式ディーゼル機関車の試作車DD200形901号機を報道関係者らに公開した。非電化区間の貨物列車牽引と、貨物駅構内の入換作業の双方に使用される液体式ディーゼル機関車DE10形・DE11形の老朽化にともなう置換え用の新型ディーゼル機関車として開発され、6月末に試作車1両が出場。新鶴見機関区へ輸送されていた。
DD200形は既存のDE10形・DE11形と共通する凸型車体で、運転台は横向きに2カ所配置されている。入換作業などで誘導を行う操車担当の作業性向上のため、車端にデッキスペースも設置した。走行性能もDE10形相当とのことだが、駆動方式はDE10形の液体式に対し、DD200形は電気式に。JR移行後の機関車(電気式ディーゼル機関車DF200形、直流電気機関車EF210形など)で開発された技術をDD200形にも応用し、性能の確保と信頼性向上、装置の標準化によるメンテナンスコスト低減を図り、修繕部品の安定供給を確保する。
今年度の走行試験、東京地区に続き仙台地区でも実施へ
動軸数はDE10形の5軸に対し、DD200形は4軸。内燃機関1個(895kW/1,900rpm)に加え、DD200形では主電動機を4個搭載している。動輪周出力は600kW。DD200形の車体長は15.9m(DE10形は14.15m)、運転整備重量は58.8トン(DE10形は65.0トン)。最大牽引力は20,000kgf。最高運転速度は110km/h(車両設計最高速度は120km/h)となり、DE10形の最高運転速度85km/hより向上している。軸重(1軸あたりの重量)を低く抑えることで、DE10形式でしか入線できない線区への入線も可能にしたという。
DD200形901号機は今後、新鶴見機関区を拠点に走行試験を計画しており、今年度はまず東京地区(新鶴見機関区・東京貨物ターミナル駅構内の他に本線走行も予定)で、続いて仙台地区で走行試験を行うことが説明された。量産車の導入時期や走行路線などは現時点で未定。試作車による走行試験を経て検討するとのことだった。