ベストセラー『怖い絵』の世界が展覧会に!--日本初公開の"怖い"名画も

上野の森美術館(東京都台東区上野公園)では10月7日~12月17日、ベストセラー「怖い絵」のテーマにした展覧会を開催。兵庫県立美術館(兵庫県神戸市中央区)でも7月22日~9月18日、同時開催される。

ポール・ドラローシュ 《レディ・ジェーン・グレイの処刑》 1833年 油彩・カンヴァス ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵 (C)The National Gallery, London. Bequeathed by the Second Lord Cheylesmore, 1902

「想像によって恐怖は生まれ、恐怖によって想像は羽ばたく」(中野京子著『「怖い絵」で人間を読む』より)。同展は、名画の隠された恐怖を読み解き、大ベストセラーとなった中野京子氏の著書『怖い絵』(角川文庫)の世界を紹介するものとなる。

ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー 《オデュッセウスとセイレーン》 1909年 油彩・カンヴァス リーズ美術館蔵 Leeds Museums and Galleries (Leeds Art Gallery)

これまでの絵画鑑賞とは、色彩、タッチ、雰囲気や表現法などをもとに、感性を頼りにして心のままに感じるもの、というのが一般の人々が抱くイメージだった。そんな中、作家・ドイツ文学者の中野京子氏が2007年に出版した『怖い絵』は、「恐怖」に焦点を当て、その絵の時代背景や隠された物語を読み解く美術書としてベストセラーを記録。シリーズ化されて多方面で大きな反響を呼んだ。

刊行10周年を記念して開催する同展では、シリーズで紹介された作品を筆頭に、展覧会に向けて新たに選び抜かれた作品が登場。さらに『怖い絵』の世界を感じられるよう、作品の恐怖を読み解くためのヒントをもとに、観覧者に想像力をかきたてる展示を予定しているという。

ジャック=エドゥアール・ジャビオ 《メデューズ号の筏(テオドール・ジェリコー作品の模写)》 1854年 油彩・カンヴァス ボルドー美術館蔵 (C)Musée des Beaux-Arts, Ville de Bordeaux. Photo L. Gauthier

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》 1891年 油彩・カンヴァス オールダム美術館蔵 Image courtesy of Gallery Oldham

ウィリアム・ホガース 『ビール街とジン横丁』より《ジン横丁》 1750-51年 エッチング、エングレーヴィング・紙 郡山市立美術館蔵 Koriyama City Museum of Art

ゲルマン・フォン・ボーン 《クレオパトラの死》 1841年 油彩・カンヴァス ナント美術館蔵 RMN-Grand Palais / Gérard Blot / distributed by AMF

最大の注目作は、著書でも紹介されたロンドン・ナショナル・ギャラリーを代表する名画、ポール・ドラローシュの《レディ・ジェーン・グレイの処刑》。わずか9日間のみ王位した16歳の若き女王の最期の姿を描いた縦2.5m、幅3mにもおよぶ大作で、日本初公開となる。そのほか、ターナー、モロー、セザンヌといったヨーロッパ近代絵画の巨匠の作品など、近世から近代にかけてヨーロッパ各国で描かれた約80点もの油彩画・版画がカテゴリーごとに展示される。

「恐怖」というテーマ性を持ったこれまでにない切り口の展覧会であり、作品に当てられたこれまでとは違う光を頼りに、絵画の「恐怖」を読み解く同展。特別監修を務めた中野氏は「今まで気づかなかったものが見えてくる展覧会。絵の背景にある物語を楽しんで欲しい」とコメントしている。

フレデリック=アンリ・ショパン 《ポンペイ最後の日》 1834-50年 油彩・カンヴァス プチ・パレ美術館蔵 RMN-Grand Palais/Agence Bulloz/distributed by AMF

フランソワ=グザヴィエ・ファーブル 《スザンナと長老たち》 1791年 油彩・カンヴァス ファーブル美術館蔵 (C)Musée Fabre de Montpellier Méditerranée Métropole, France – Photographie Frédéric Jaulmes – Reproduction interdite sans autorisation

東京会場は、上野の森美術館(東京都台東区上野公園)。会期は10月7日~12月17日で、会期中無休。開館時間は、10時~17時。入場は閉館の30分前まで。料金(税込)は、一般1,600(1,400)円、大学生・高校生1,200(1,000)円、中学生・小学生600(500)円(括弧内は前売料金、および20名以上の団体料金。小学生未満は無料)。

兵庫会場は、兵庫県立美術館(兵庫県神戸市中央区)。会期は7月22日~9月18日で、月曜休館(9月18日は開館)。開館時間は、10時~18時(金・土曜日は夜間開館、20時まで)。入場は閉館の30分前まで。料金(税込)は、一般1,400(1,200)円、大学生1,000(800)円、70歳以上700(600)円、高校生以下無料(括弧内は前売料金(一般・大学生のみ)、および20名以上の団体割引料金)。

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