三菱UFJリサーチ&コンサルティングは5月9日、「2017(平成29)年度 新入社員意識調査アンケート結果」を発表した。

同社では毎年3月下旬~4月上旬に新入社員を対象とするセミナーを開催し、その受講者に対してアンケートを実施している。今年度は、東京、名古屋、大阪で合計37講座を開催。1,300名を超える新入社員が受講したという。同調査は、このアンケートの集計・分析結果をまとめたもの。結果は次の通り。

まず、新入社員は企業に「『給料が増える』ことよりも『残業がない・休日が増える』」ことを求めているという。加えて、「私生活に干渉されない」ことの重要度が高まり、就業後や休日などは、仕事から離れた自分の時間を充実させたいと考えている新入社員が多く、さらに8割を超える新入社員が、就職活動の際にブラック企業かどうかを「気にした」または「少しは気にした」と回答している。

残業に対する考え方

一方で「目標を与えられ、達成に向けて頑張りたい」と回答した新入社員も8割を超え、同調査では「できる範囲で努力したいと考えているようだ」と評価。「一定時間は仕事から離れてオフを過ごしたい。『自分ファースト』志向が高まる」と論じている。

目標設定は必要か

さらに同調査では、新入社員は「上司・先輩・同僚との人間関係」「仕事が自分に合っているか、うまくできるか」について大きな不安を抱える傾向があると紹介。「広い心で受け入れ、自分の成長を温かく見守ってくれる『寛容型』の上司を求めている」とコメントしている。

同調査ではこのほか、新入社員の多くが日本の現状を「曇り」と表現したことを紹介。加えて、10年後の日本については多くの新入社員が「雨」と回答していることを取り上げ、「日本の将来に対しては不安を感じている人が多い」と論じた。

日本の状態を天気で表すと

新入社員の出世意欲については、「出世したい」と回答した男性が約6割なのに対し、女性では3割に満たないことを紹介。「将来、結婚や出産を経ても仕事を続けるか、現時点で明確な意思を持つことができない女性が多い。出世意欲の低さとも関係がある可能性がある」としている。