俳優の阿部サダヲが3日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた、2019年の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』主役発表会見に登場。自身の演じる役の異名に引っかかりながらも、大役への意気込みを語った。

俳優の阿部サダヲ

今作は、2020年に東京オリンピックが開催されるのを控え、宮藤官九郎のオリジナル脚本で制作。まだ「スポーツ」という言葉もなかった1912年のストックホルム大会で2人の選手が出場したことから始まった日本のオリンピックを、戦中・戦後をへて、1964年の東京大会が開催されるまでの52年間を描いていく。

阿部が演じるのは、地元・浜名湾でコーチとして日本水泳の礎を築いた、田畑政治役。"浜名湾のカッパ"と役柄の異名を紹介された阿部は「カッパの役をやるわけじゃないですよね?」と確認しながら、「映画でもカッパの役をやったことがあるので、何をやっても大丈夫なんですけど…」と、冗談を交えてあいさつした。

また、現在放送中の大河ドラマ『おんな城主 直虎』で徳川家康役を演じていることから、今回のオファーに「本当にびっくり」と驚いたそう。同じ劇団「大人計画」に所属しながら、宮藤作品のテレビドラマは10年以上出演していないことから、「(宮藤脚本の朝ドラ)『あまちゃん』じゃなくて、『いだてん』に出られるということは本当にうれしいので、一生懸命頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

19年の大河ドラマの脚本を宮藤が担当するのは昨年11月に発表されたが、阿部によると「宮藤さんのところに『主役は俺じゃないですか?』と言いに来ている役者さんがいるって聞いていた」そうで、「そういう方たちから相当な目で見られると思うので、プレッシャーはすごくあります」と心境を吐露。

今作は、前半を日本初のオリンピック選手・金栗四三を演じる中村勘九郎、後半を阿部中心に描くリレー主演方式で、阿部は「僕と勘九郎さんならではの大河ドラマが作れれば良いなと思います」と意欲を示した。

阿部が演じる田畑は、新聞社の政治記者でもあり、「名前が『政治』と書いて政治記者になるってすごいなと思うんですけど」と気にしながら、「会見でたまに、ものすごいつまんなそうな顔してる記者の人がいることに興味があったりするので、そういうところも掘り下げていきたいなと思います」と、毒舌を交えて語っていた。

(左から) 阿部サダヲ、中村勘九郎、宮藤官九郎