2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて以降、以前にもまして日本の「食」が世界から注目を浴びるようになった。
海外で日本食を食べられるのも当たり前のようになってきており、海外旅行先で日本語が書かれたレストランを目の当たりにした機会がある人も少なくないはずだ。これらの現象は、現地の人たちに日本の味が受け入れられている何よりの証拠だろう。
和食や日本食が海外の人たちにこれだけ支持される理由はいくつかあるが、その中の一つに「ヘルシーさ」があるのではないだろうか。「まごわやさしい」に代表されるように豆類や野菜、海草、きのこといった食材を用い、低カロリーで栄養価の高い料理が日本では古来から提供されてきた。
近年は「食の欧米化」が進んでいるとはいえ、こういった日本のヘルシー志向が息づいた食文化は今なお、続いている。そして、その奥深さに感銘を受けている外国人がいるのも事実だ。
では、具体的にどんなヘルシー食品が外国人に好まれている、もしくは好まれそうなのだろうか。このほど、日本在住の外国人20人に「母国でヒットしそうな日本の食品」について聞いてみたので、気になった回答を紹介しよう。
Q.母国でヒットしそうな日本のヘルシー食品を具体的な理由と一緒に教えてください
大豆由来製品
・「豆腐が真っ先に思い浮かびました。イタリアでは今もありますが、あまり知られていないです。使い道が非常に多いので、もっとはやると思います」(イタリア/30代前半/男性)
・「豆腐、豆乳。素晴らしいプロテイン源だし、おいしい」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「納豆。インドネシアには大豆由来のテンペがあるため、納豆への抵抗感はもしかするとないかもしれない」(インドネシア/30代前半/男性)
・「豆腐」(フランス/30代前半/女性)
・「納豆。栄養価が高いです」(インド/30代後半/女性)
こんにゃく
・「こんにゃく。国に糖尿患者が多いので、カロリーとGIが低いこんにゃくは役にたちます」(モロッコ/30代前半/男性)
・「こんにゃくです。こういうカロリーの低い食べ物は、ロシアの女性の夢です。食べても食べても、カロリーがほとんどないなんて、信じられない! 夢のようです。すごい! ほしい! ってなると思います」(ロシア/30代前半/女性)
梅干し
・「カリカリ梅干し。どこでもいつでも食べられるし、母国の料理に合いそうです。また、ビールを飲みながら食べるととてもおいしいからです」(ブラジル/40代前半/男性)
・「梅干し。納豆も最近はやっており、梅干しも勝算があると思う」(韓国/30代前半/女性)
飲料系
・「さとうきびジュース。ニキビや風邪のひきはじめののどの痛みに効く気がするので、ヒットするかもしれない」(台湾/20代後半/男性)
・「甘酒かな? 理由はまだ知られてなさそうだから」(ドイツ/40代後半/女性)
・「抹茶です。理由は、コーヒーよりおいしくて健康的だからです」(ギリシャ/30代後半/男性)
・「青汁。母国ではあまり野菜を食べないので」(キルギス/30代前半/女性)
その他
・「最近母国では日本の和食が普及しており、人気になっています。特に寿司です」(エジプト/30代前半/男性)
・「緑茶、お寿司、みそ汁はポーランド人は皆好きです。一方で納豆とかは無理でしょうね」(ポーランド/40代前半/女性)
・「エゴマ商品。DHA+EPAが多く含まれていて、効果が優れているからです」(モンゴル/40代前半/女性)
■総評
豆腐や納豆などの大豆由来製品が回答全体の4分の1を占め、一番人気という結果になった。日本人にとって、特に豆腐は「ヘルシー食品」の代表的存在の一つと言えるが、それは外国人にとっても同じようだ。植物性の良質なたんぱく質を含むうえに低カロリーと、ダイエット時にまさにうってつけの食材でもある。
また、こんにゃくと梅干しにも票が集まった。こんにゃくも「カロリーが低いヘルシー食」というイメージが強いが、意外とも言えるのが梅干しの存在だろう。回答してくれたブラジル人男性の「ビールのおつまみとしてよい」という趣旨のコメントは、温暖な気候で一年を通じてビールが旨いブラジルのお国柄が出たものと言えそうだ。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2017年1月23日~2017年2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート