TBSは22日、14日に亡くなった俳優の渡瀬恒彦さんを偲んで、3月27日に主演ドラマ『西村京太郎サスペンス十津川警部シリーズ42「九州ひなの国殺人ルート」』(20:00~22:54)を放送することを発表した。

十津川警部役の渡瀬恒彦

この番組は2009年9月28日に放送した十津川警部シリーズの代表作の一つ。渡瀬さんが主演した十津川警部シリーズは全54作を数えるが、3時間スペシャルとして製作された『九州ひなの国殺人ルート』は、番組の魅力である旅情をたっぷりと描き、事件の裏にある壮絶な人間模様をあぶりだして、ファンには特に印象に残る作品だった。

同作では、都内で全裸の女性の遺体が発見され、太ももに彫っていた刺青を手掛かりに、女がイヴという名のコールガールで大分県日田市の出身だと判明。十津川警部(渡瀬)と、十津川が最も信頼する亀井刑事(伊東四朗)は、日田に向かい捜査を開始する。ところが、地元の刑事は何かを隠している様子。イヴは地元の大物政治家の娘らしいと証言も飛び出すが捜査は難航する。しかし十津川はやがて、イヴが残したひな人形に事件の謎を解く鍵が秘められていたことに気づく・・・というストーリーだ。

撮影では、日田市の人々の協力を得て大規模なロケを敢行。観光名所やグルメなども盛り込んで進んだ。ドラマのクライマックスでは、日田祇園祭を再現。大きな山車を中心にした迫力いっぱいの祭りのにぎわいを収録した。個の撮影で初めて日田市を訪れたという渡瀬さんは「街に独特の風情がある。スタッフが熱心にロケハンをして、撮影をしているので、こちらに住んでいる人もあらためて街の魅力を発見できるような映像に仕上がっていると思う」と感想を語っていた。

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