台湾桃園国際空港線が3月2日、開業を迎えた。台北と桃園国際空港を最短35分程度で結ぶほか、空港線は台湾初の急行列車と普通列車の混合運行であり、沿線住民の重要な交通手段として移動時間の短縮になるとともに、交通渋滞の緩和につながると期待されている。

台湾桃園国際空港線は総延長約51km(21駅)

空港線は台湾初の空港アクセス線で、台北駅から年間約4,000万人が利用する桃園国際空港を経由し郊外住宅圏(中れき区)まで運行する総延長約51km(21駅)の路線。空港利用者向けに台北市内での荷物のインタウンチェックイン機能を備えており、荷物を持ち歩くことなく身軽に行動できる。

この事前チェックインサービスは、桃園国際空港MRT-台北車站駅(以下、A1駅)(住所: 台北市中正区鄭州路8號(No. 8 Zhengzhou Road, Zhongzheng District, Taipei City)に設置。開業時における同サービスは、チャイナ エアライン、マンダリン航空、エバー航空(国際線のみ)、ユニー航空(国際線のみ)の桃園国際空港発の乗客が対象となる(他社運航のコードシェア便は対象外)。なお、桃園国際空港MRT線を利用しなくても、同サービスは受けられる。

A1駅にあるカウンターでチェックインと受託手荷物を預けるほか、A1駅にはセルフチェックイン機 キオスクや自動手荷物預け機が設置されており、乗客自身で手続き・手荷物預けができる。

受付時間は現地時間で06:00~21:30。出発時刻まで3時間以上ある当日のフライトのみが対象となる。受託手荷物は、最長の辺の長さが70cmを超えないもの、3辺の和が158cmを超えないものとする。なお、特別なサポートを必要とする人(子どものひとり旅、手荷物用に座席を購入した人など)、または空席待ちチケットを持っている人は、桃園国際空港にて手続きが必要となる。

A1駅で受託手荷物を預けた後に、何らかの理由で手荷物の返却を希望する場合は、当該手荷物が空港に発送されていない場合に限り、預けたA1駅で返却が可能。当該手荷物が桃園空港に発送済みの場合は、A1駅からの受託手荷物の運送が片道のみ(A1駅から空港)となるため、桃園国際空港での返却となる。その際は、サービスカウンターにて受託手荷物の受け取りが必要となる。超過手荷物の支払いが発生する場合は、A1駅でチェックイン手続きを済ませた後、桃園空港のサービスカウンターで超過手荷物の料金を支払い、搭乗券を受け取る流れになる。

インタウンチェックイン機能も

空港から台北までは最短35分程度

なお、同路線は丸紅、川崎重工業、日立製作所が2006年1月、鉄道システム一式供給並びに車両基地の建設を受注。丸紅が全体の取り纏め、信号・通信システム、軌道敷設工事などを、川崎重工が車両を、日立が変電システムを担当した。丸紅、川崎重工、日立は今後も高品質の鉄道技術を提供することにより、海外の交通インフラ整備と環境に配慮した経済発展に貢献していくとしている。