日本労働組合総連合会は12月22日、「クラウド・ワーカー意識調査」の結果を発表した。同調査は12月9日~12日、全国の20歳以上のクラウド・ワーカー1,000名を対象に、インターネットで行われた。

女性は伝票入力やライター、男性はWebデザインやシステム設計

同調査では、「クラウド・ワーキング」をインターネット上のマッチングサイトや自身のページ(Facebook、ブログ)等を通じて仕事を受注・納品する働き方、そのような働き方をする人を「クラウド・ワーカー」としている。

「クラウド・ワーキングを専業、あるいは副業として行っているのか」を聞くと、35.8%が「専業」、64.2%が「副業」と回答した。

「クラウド・ワーキングで従事している仕事(男女別)」

「どのようなクラウド・ワーキングに従事しているのか」を聞いたところ、「文書・データ入力、事務、伝票整理」(22.8%)が最も多かった。次いで、「ライター」(16.8%)、「Webサイト(ホームページ)制作・Webデザイン」(16.4%)となった。

男女別に見ると、「文書・データ入力、事務、伝票整理」(男性19.0%、女性29.2%)や「ライター」(男性14.6%、女性20.5%)は、女性の方が高かった。一方、「Webサイト(ホームページ)制作・Webデザイン」(男性18.9%、女性12.2%)、「システム設計・開発、プログラミング」(男性17.3%、女性8.6%)では、男性の方が高くなった。

クラウド・ワーキングに従事する時間と報酬

「1週間にどの程度クラウド・ワーキングに従事しているのか」をみると、平均で「7.8時間/週」という結果に。専業・副業別に見ると、専業は「11.7時間/週」、副業では「5.5時間/週」と、2倍近くの差が見られた。

「クラウド・ワーキングで得られる月収(税込)」

収入については、月収で「~1万円」(37.5%)が最多に。次いで「1万1円~2万円」(14.7%)、「2万1円~3万円」(9.6%)といった金額が多い中、「30万1円~」という高額な人も3.2%見受けられ、平均金額は4万5,650円となった。また、専業・副業別では、専業が7万3,268円、副業が3万249円だった。

「クラウド・ワーキングで得られる月収(仕事の内容別)」

仕事の内容別に平均金額を見ると、「システム設計・開発、プログラミング」が7万3,908円で1位に。そのほか、「Webサイト制作・Webデザイン」(6万5,762円)、「ネットショップ構築」(6万2,705円)、「Webサイト運用、ネットショップ運営」(5万6,064円)などが全体平均4万5,650円を上回った。

一方、最も低かったのは「文書・データ入力、事務、伝票整理」で1万9,198円。そのほか、「ライター」(2万1,639円)や「調査・マーケティング」(2万6,875円)なども平均を下回った。

「クラウド・ワーキングという働き方を選んだ理由」

「クラウド・ワーキングという働き方を選んだ理由」を聞くと、「自分の都合の良い時間に働けるから」が最も多く61.8%。次いで、「自分の都合の良い場所で働けるから」が36.6%で続いた。特に女性は、「自分の都合の良い時間に働けるから」(男性58.7%、女性67.0%)や「家事・育児・介護など家庭の事情と両立しやすいから」(男性11.3%、女性17.0%)の割合が男性よりも高かった。家事や育児、介護の合間を縫って都合のいい時間に働ける点が、女性がクラウド・ワーキングを選ぶ大きな理由となっていることが伺えた。

「クラウド・ワーキングで不安に思うこと」

「クラウド・ワーキングという働き方で、不安に思うこと」という問いでは、「仕事が継続的にあるか分からない」が最も多く51.8%。以降、「納期を守るプレッシャーが大きい」(26.3%)、「発注者がきちんとした会社か分からない」(21.3%)、「代金(報酬)がきちんと支払われるか分からない」(21.1%)、「不安に思うことはない」(14.6%)となった。多くのクラウド・ワーカーが、"仕事の継続性"や"納期のプレッシャー"、"発注者がきちんと対応してくれるか"など、何らかの不安を感じていることがわかった。