東京急行電鉄は11月1日から、電車定期券でバスにも乗車できる「バスも!」キャンペーンを平日に実施する。期間は2017年1月31日まで。

「バスも!」キャンペーンポスター

東急田園都市線では、これまでにも混雑緩和のため、オフピーク乗車・分散乗車などが促進されてきた

このキャンペーンは、田園都市線池尻大橋~渋谷間を含む電車定期券があれば、国道246号線を運行する渋谷駅方向の東急バスに追加料金なしで乗車できるというもの。期間中は各バス停に係員が配置され、対象となる定期券を提示した人に無料で乗車できるバス乗車券を配布する。朝7時から9時30分までの間、三軒茶屋(12番・13番)・昭和女子大・三宿・池尻・池尻大橋駅・大橋の各バス停から乗車する人が対象となる。

なお、輸送障害などによる振替輸送が発生した際はキャンペーンを中止する。年末年始期間(12月30日から1月3日まで)はキャンペーン対象外となる。

「バスも!」キャンペーンの実施は今年7月に続いて2度目。今回は実施期間や利用時間帯、利用できるバス停など、内容を拡充した。キャンペーンの背景には、田園都市線で朝ラッシュ時間帯に生じている激しい混雑がある。東急電鉄はこれまでにも、列車の増発や準急運転の開始、オフピーク乗車を促進する「早起き応援ポイント」などの施策で混雑緩和に努めてきたが、さらに最混雑区間の交通手段の選択肢を広げる試みとして、バス利用を推進したい考えだ。

都市政策を専門とする東京都市大学教授の明石達生氏も、「今回の『バスも!』は鉄道路線に並行するバス路線との連携に新奇性がある」と評価。「ピーク時間帯に鉄道からバスに移る通勤客が少しでもいれば、その分が確実に混雑対策として期待できる」と田園都市線の混雑緩和に期待を寄せる。東急電鉄は利便性向上と田園都市線の混雑緩和効果を改めて検証することで、今後の運用に向けた具体的な検討を進める方針としている。