日本の公共料金、外国人にとっては高い? 安い?

初めて実家を出たころを思い出すと、家賃のことは想定していても、毎月かかる公共料金に「意外とお金がたくさんかかる」と思った人も多いのではないだろうか。日本にやってきた外国人は、日本の電気・水道・ガス料金をどのように感じているのだろう。日本在住の外国人20人に聞いてみた。

Q. 日本の電気・水道・ガスなどの公共料金は安いと感じますか? 高いと感じますか? 母国の事情とあわせて教えてください

高いと感じる

・「高いです。インドはもっと安いです」(インド/40代前半/男性)

・「日本のほうが高いですね。ハンガリーも高くなるときもありますが」(ハンガリー/30代前半/女性)

・「日本の公共料金は高いです。ルーマニアの料金よりかなり高いです。そして、日本の家は夏は暑すぎるし、冬は寒すぎるので、1年の中でエアコンを9カ月ぐらい使います。そのせいで毎月の支払いがとても高くなります」(ルーマニア/30代前半/女性)

・「高すぎ。ベトナムは5分の1安い」(ベトナム/20代後半/男性)

・「高いと思います」(インドネシア/40代前半/女性)

・「日本の方が高いと感じる。パラグアイの2倍程度?」(パラグアイ/30代前半/女性)

・「日本は高いと思いますが、本当は母国で払っていなかったので比べられません」(スペイン/30代前半/女性)

・「公共料金は高いと感じますが、日本は高消費国なのでしょうがないと思う。中国も最近、公共料金が上がっているが、日本ほどかからないです。消費者の収入も日本人より低いため、全体的のバランスは日本と同じ水準だと思っている」(中国/30代中半/男性)

安い・比較的安いと感じる

・「ある程度安いと思います。ブラジルとあまり変わらないと思います」(ブラジル/20代後半/男性)

・「比較的安いと思います。タイは節電・節水が一般化しています。日本ほどまだそこまで普及してないからです」(タイ/30代前半/男性)

・「安いと感じました。フランスでは、使わない月も高いという記憶があります」(フランス/30代前半/男性)

・「電気代だけは確かに安い。韓国は累進税があり、多く使えばめちゃくちゃ高い料金になってしまうが、日本はそれほどではなかった」(韓国/20代前半/男性)

・「実は日本に来るまでずっと実家に住んでいたので、アメリカの公共料金はあまり詳しくないですが、日本の方が安いかもしれません。でも安い理由は、家が小さいからだと思います」(アメリカ/30代前半/女性)

ものによる

・「日本の電気は安いですが、水とガスはちょっと高いです。フィリピンは逆に電気代は高いです」(フィリピン/40代前半/女性)

・「水道・ガスに関してはあまり差を感じません。電気に関しては、冬になると炬燵(こたつ)や暖房があるせいで電気代が飛躍する感じがします。イタリアの場合はそうでもなかったような……。携帯電話代やインターネット代は日本の方がずっと高いと思います」(イタリア/30代前半/男性)

母国と同等

・「今までの感覚だとあまり変わらないかもしれない。でも日本のほうが時間帯によって料金が変わってくる点はすごくいいと思う」(台湾/20代後半/女性)

・「香港とあまり変わらないと思います。水道料金は日本の方が香港より少し安いです」(香港/20代後半/女性)

日本人の収入を考えると妥当

・「ロシアより高いが、日本の収入にとって安くもないし、高くもないと思う」(ロシア/20代中半/女性)

・「ウクライナと単純比較してしまうと高いような印象を受けますが、日本の給料水準を考えると、むしろそれほど高くないと実感させられます」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「日本人の平均収入と比べれば高くないです。母国モンゴルではもっと細かく分けて請求していますが、日本よりはるかに安いです。ちなみに普通の家庭ではガスは使いません、電気のみです」(モンゴル/30代前半/男性)

総評

今回のアンケートでは、20人中8人が日本の公共料金は「高い」と感じていた。そして「安い」と感じた人は5人だった。単純に「母国との料金の違い」から、高い(または安い)と感じるという回答が多かったようだ。

しかし、「日本では妥当」と答えた3人は、「日本人の平均収入を考えると高くない」と分析している。確かに消費者としては安いにこしたことはないが、その国の経済状態に見合っているかどうかが重要なのかもしれない。しかし、日本で収入がない留学生などの場合は、もしも母国よりも高ければ切実な問題となるだろう。

ちなみに、筆者が海外(アメリカ)で暮らしていたときは、家賃に公共料金(もしくはその一部)が含まれているアパートが多くあった。ありがたい反面、タダだと思うと何も気にせず使ってしまうため、地球環境的にはよろしくないだろうと思う。やはり、"その国にとって妥当"な料金がかかるくらいがちょうどいいのかもしれない。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート

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