西武鉄道の新型通勤車両40000系が完成し、8日に追加仕様が発表された。2016年度に製作・導入される編成では、車内の中吊り広告をなくし、広告用デジタルサイネージ「Smile ビジョン」を設置。電源コンセントや「SEIBU FREE Wi-Fi」も導入される。

西武鉄道の新型通勤車両40000系が完成(写真はすべて西武鉄道提供)

新型通勤車両40000系は2017年春から順次運転開始される。外観は西武グループのコーポレートカラーを基調に、沿線の風景や自然を感じさせるカラーリングを採用した。一部編成は同社初となるロング・クロスシート転換車両となり、平日に池袋線から東京メトロ有楽町線へ、土休日に西武秩父線・池袋線から東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線へ直通する有料の座席指定制列車に使用される予定だ。

車いす・ベビーカー利用者や大きな荷物を持った利用者向けに設置される「パートナーゾーン」も特徴で、子供たちが車窓の景色を楽しめるように窓を大きくした。車内環境向上の取組みとして、「プラズマクラスター」も搭載。各ドア上に2面設置される情報表示装置では、右側の画面に行先・停車駅・駅設備案内・ドア開方向・運行情報、左側の画面に「Smile ビジョン」として広告・ニュース・天気予報などを表示する。

車内の天井部分にデジタルサイネージを設置

電源コンセントやカップホルダーも

今回の発表で、車内の各ドア上に加え、天井部分にも情報表示装置を設置することが明らかに。西武鉄道によれば、従来の通勤車両で掲出していた中吊り広告をなくし、広告用デジタルサイネージ「Smile ビジョン」を1両あたり12~16面(1編成あたり合計156面)設置するとのこと。天井部分の「Smile ビジョン」は17インチディスプレイを横に2面並べ、ニュース・天気予報の放映にも対応して鮮度の高い情報提供を可能としている。

電源コンセントはおもにクロスシートのときに利用でき、2席につき1つずつ設置。各座席の後部に設置されたカップホルダーも確認できる。長距離区間でも安心して利用できるように、4号車にトイレも設置(車いすで利用可能、おむつ交換シートも設置)された。同社の特急レッドアロー車両10000系に続き、訪日外国人向けの無料公衆無線LANサービス「SEIBU FREE Wi-Fi」が40000系にも導入される。

新型通勤車両40000系は2019年度までに80両(10両編成×8本)を導入する予定。川崎重工兵庫工場(兵庫県神戸市)にて製作が行われている。

新型通勤車両40000系の一部編成はロングシート・クロスシート転換車両となり、長距離区間でも安心して利用できるようにトイレも設置された