三菱航空機は8月31日、米航空リース会社のエアロリース社と次世代リージョナルジェット機MRJ90の20機(確定10機、オプション10機)の購入に関して、正式契約を提携。両者は2月に開催されたシンガポールエアショー2016で購入に関する基本同意を発表しており、今回、正式契約に至った。エアロリース社への納品は2018年に開始を予定している。

エアロリース社デザインのMRJ90

エアロリース社は1986年に設立された航空機リース会社で、本社を米国フロリダ州マイアミに構え 、中古の旅客機・貨物機のリースをグローバルに展開。現在は40機超のボーイング757型機を保有・管理している。

エアロリース社代表のジェップ・ソーントン氏は、「今回、航空機リース会社として世界で初めてMRJ購入に関する正式契約を提携することができ、大変うれしく思います。長年の航空機製造歴史と強固な財務基盤を有する三菱が開発したMRJは、燃費効率性・客室快適性・環境性能に優れ、リージョナルジェットの新たな価値を市場、そしてお客さまに提供することができます。エアロリースはMRJプログラムのパートナーとして、三菱航空機と共にカスタマーベースを拡大し、さらなる価値向上に貢献したいと考えています」とコメントしている。

また、三菱航空機社長の森本浩通氏は、「この度、エアロリース社と正式契約を結ぶことができ大変うれしく思います。エアロリース社からはMRJの資産的な価値だけでなく、国初ジェット旅客機にかける日本のものづくりについても高評価をいただきました。ソーントン代表と同社をパートナして迎え、MRJが航空機リースにおいても新たな価値を提供していけることを想像すると胸が躍る思いです」とコメントしている

エアロリース社デザインのMRJ90

エアロリース社との正式契約により、MRJの合計受注機数は427機(確定233機、オプション170機、 購入権24機)となる。 また、 7月に英国ファーンボローエアショーでスウェーデン・ロックトン社と交わした基本合意が確定すると、合計受注機数は447機(確定243機、オプション機180機、購入権24機)となる。

MRJ飛行試験機初号機

MRJは2016年内に米国飛行試験、2017年にTC(Type Certificate: 型式証明)飛行試験、最終審査を経て2018年にANAへ初号機を納入する見通しとなっている。そのために8月に予定されていた北米へのフェリーフライトが、左右2系統ある空調システムの左舷用監視システム側の不具合により中止された。空調システム自体は正常に作動してたが、今回は北米までの長距離フライトであったため、万全を期すことにしたという。フェリーフライトは故障探究と対策の完了後、関係先と調整の上で実施を予定している。

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