明治は8月25~27日に開催された日本食品科学工学会 第63回大会において、カカオ豆に含まれるポリフェノールの血圧上昇抑制効果を、高血圧自然発症動物(ラット)で確認したことを発表した。

CBPの長期摂取による収縮期血圧値(SBP)の変化

同社では研究により、高カカオチョコレートを摂取すると、 血圧が高めの人ほど、正常な血圧の人より血圧が低下することを確認。2015年に「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」について報告を行っていた

今回実施したのは、その「チョコレート摂取による血圧低下作用」のメカニズム研究。まず、高血圧を自然発症したラットに、カカオポリフェノールの代表的成分「カカオプロシアニジン」を含む抽出物 (CBP)を摂取させ、その際の血圧や血中物質に与える影響を評価した。

その結果、CBPを長期(2カ月)摂取したラットでは、経時的な血圧上昇抑制効果が認められたという。その際に、炎症や組織細胞の破壊によって血中で増加するタンパク質・CRP量 も有意に減少した。

また、CBPを短期(1週間)摂取した場合にも血圧上昇抑制効果が認められ、血中の一酸化窒素(NO)濃度が有意に上昇した。一酸化窒素は、血管の収縮と拡張に関与する物質で、血中の濃度が減少すると血管は収縮し、血圧の上昇や血管の血栓形成、動脈硬化を引き起こすと言われている。

今回の研究から、高血圧自然発症ラットが摂取したCBPは、高血圧によって起こる血管の炎症反応や、血管収縮を抑制することがわかった。また、血管内皮機能を改善することで、血圧の上昇を抑制する可能性も示されたという。