インテージリサーチは7月28日、「ふるさと納税に関するアンケート」の調査結果を発表した。調査期間は3月23~25日、対象は全国の20歳から69歳の男女で有効回答数は3万1,229件。

20歳代は「地域への貢献意識」が高い傾向あり

ふるさと納税の認知について尋ねたところ、認知率は97.5%とほぼ全員が知っていることがわかった。内訳は「制度を多少知っている」が39.7%、「言葉を聞いたことがある」が24.9%、「制度の概要を知っている」が21.0%、「制度の詳細を知っている」が11.9%だった。

ふるさと納税を行ったことがある人は全体の10.1%。約10人に1人が経験しているものの、認知率の高さに比べて実施率は低い割合にとどまった。

ふるさと納税の認知率と実施状況 n=3万1,229

ふるさと納税経験者(n=3,152)がふるさと納税を行った動機は、「寄付の特典が魅力的だったから」が71.8%と最も多く、次いで「税金が軽減されるから」が47.8%、「応援したい地域に貢献したいから」が20.4%だった。

年代別に見ると、20歳代では「応援したい地域に貢献したいから」が27.0%、「自分のふるさとに貢献したいから」が19.6%、「縁のある地域に貢献したいから」が16.5%と、他の年代に比べて地域への貢献意識が高い傾向がみられた。

ふるさと納税の動機(複数回答) n=3,152

未経験者がふるさと納税しない理由は?

ふるさと納税未経験者(n=9,873)の「これまでにしようと思いながらもしていない理由」は、「申し込みの仕方がよくわからなかったから」が42.7%、「確定申告が面倒だったから」が32.2%、「制度がよくわからなかったから」が29.2%、「どこの自治体にしてよいかわからなかったから」が27.0%だった。

ふるさと納税をこれまで行わなかった理由(複数回答) n=9,873

全回答者のうち、今後ふるさと納税をしたい人は42.9%。ふるさと納税をしたことがある人の89.3%、ふるさと納税をしたことがない人の37.6%が「今後、ふるさと納税を行いたい」と考えていることがわかった。

期待するお礼品は「地域の生鮮食品」

ふるさと納税意向者(n=1万3,384)が、ふるさと納税を行う際に期待する返礼品は「地元の特産品(生鮮食品)」が81.7%と最も高く、次いで「地元の特産品(加工食品)」が68.8%、「施設利用券、宿泊券、割引券、地元で使える商品券など」が40.0%だった。

ふるさと納税を行う際に期待する返礼品(複数回答) n=1万3,384

同社は調査結果について、「ふるさと納税の実施率は10.1%で、2014年までと比べて倍増。これは、2015年4月からの『ふるさと納税ワンストップ特例制度』導入により、確定申告の煩わしさが軽減された効果であると考えられる。また、経験者の9割にリピート意向が、未経験者の約4割にトライアル意向が見られる。実施率を上げるには、特産品の魅力を打ち出すこともさることながら、申し込みの仕方、制度の説明を含めた各自治体のPRがカギになると考えられる」とコメントしている。