長崎県内関係離島市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町)で組織するしま共通地域通貨発行委員会は10月1日~2019年3月31日、同エリアで共通に使用できるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」を電子化し、発行する。

「しまとく通貨」イメージ

「しまとく通貨」は、1セット5,000円で1,000円分(2割)の特典が付くプレミアム商品券。離島の活性化を目的として2013年4月1日から発行されている。

この通貨の発行により、北海道や茨城等日本全国から新たなツアーによる来島者の増加、閑散期であった年末・年始や冬場の来島者の増加、長崎県内の複数の島を巡るツアーの開発等が実現し、離島経済の活性化に大きく貢献しているという。2013年度から2015年度の3年間で、セット販売分、旅行商品分を合わせ計222万5,000セット、約104億円分を販売した。

このたびの電子化により、利用者の利便性向上とともに、これまで発生していた金券の印刷・配送・保管等の直接コストと通貨運営に必要な加盟店での決済・精算全般に必要な事務作業等の間接コストを合わせて、少なくとも25%相当のコスト削減効果を見込む。

電子化の基幹となるシステムは、J&Jギフトとギフティが共同で提供する電子地域通貨システム「Welcome ! STAMP(ウェルカム スタンプ)」を採択。Welcome ! STAMPは、従来、紙もしくはカードで発行されていた各種地域通貨(プレミアム商品券等)を、紙やカードを使用せずに電子化し流通させる国内で初となる地域通貨のソリューションであり、「しまとく通貨」への導入が、第1号案件となる。

「しまとく通貨」の仕組み

利用者である来島者には、「しまとくウォレット」が発行され、専用のWEBページで地域通貨の管理と利用が可能となる。しまとくウォレットにチャージされたしまとく通貨は、スマートフォンや携帯電話(フィーチャーフォン)等の電子端末を媒体とし携行が可能。チャージされた「しまとく通貨」は、1,000円単位で利用できる。

利用対象者は、島外からの観光客等の来島者。島内の港のターミナル、空港ターミナルで販売される。販売上限額は、1人14日以内3万円分(プレミアム分込みで3万6,000円)、使用期限は購入日(発効日)以降14日以内。利用加盟店舗は、発行委員会が取り扱いを認めた、壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町の加盟店(約1,000店舗を予定)。

発行された電子地域通貨は、各利用加盟店で電子スタンプを用いて簡単に決済・精算することができ、利用加盟店の決済および精算時の業務負荷が軽減される。さらに、発行委員会は、電子地域通貨「しまとく通貨」を介して得たデータを利活用し、離島の観光情報の発信や観光客動向のマーケティングも実施する予定。