厚生労働省は5月20日、2015年の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)を発表した。それによると、物価変動の影響を考慮した実質賃金指数は前年比0.1%減となり、5年連続マイナスとなった。

毎月勤労統計調査 月間現金給与額

パートタイマー労働者の比率上昇が要因

同省によると「パートタイマー労働者の比率が上昇し、全体の賃金を押し下げてしまったことなどで、名目賃金0.2%に対して消費者物価が0.3%となり実質賃金が減少した」と分析している。

基本給やボーナス、残業代などを合計した現金給与総額(1人平均、月間)は31万4,089円。前年と比べて0.2%増となったが、物価上昇のペースに追いつけず、物価の上昇分を差し引いた実質賃金は0.1%の減少となった。

現金給与総額を就業形態別にみると、正社員などフルタイムで働く一般労働者は同0.5%増の40万9,063円、パートタイム労働者は同0.5%増の9万7,933円となった。

月間の総実労働時間は同0.4%減の144.5時間。このうち所定内労働時間は同0.4%減の133.6時間、所定外労働時間は同1.3%減の10.9時間となった。なお、年間の総実労働時間は1,734時間(2014年1,741時間)、所定内労働時間は1,603時間(同1,609時間)となった。

常用雇用者数は同2.1%増。このうち一般労働者は同1.4%増、パートタイム労働者は同3.9%増となった。主な産業については、製造業が同0.5%増、卸売業、小売業が同1.1%増、医療、福祉が同3.2%増となった。

3月の賃金は2カ月連続プラス

併せて発表した2016年3月の毎月勤労統計調査(確報値)によると、実質賃金指数は1.6%上昇し、プラスは2カ月連続となった。

現金給与総額は27万8,704円と、前年同月比で1.5%増えた。所定内給与は同0.7%増の24万1,036円、所定外給与は同1.3%増の20万28円となった。