スティーブン・スピルバーグ監督が久々にファンタジーでメガホンを取る『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(9月17日公開)のワールドプレミアが、フランスのカンヌ国際映画祭で現地時間14日、行われた。

カンヌ国際映画祭に登場したスティーブン・スピルバーグ監督(中央) (C)CANAL+ / ORANGE / AFFIF

本作は、SFファンタジーの『E.T.』(82年)で少年と異星人とのハートフルな交流を描き大ヒットを収めたスピルバーグが、『チャーリーとチョコレート工場』(05年)の原作者と共に新たに手掛ける奇想天外なアドベンチャー。少女と"やさしい巨人(BFG)"の友情を描く。

プレミアには、初の長編作品『続・激突/カージャック』(74年)で同映画祭の脚本賞を初受賞したスピルバーグ監督のほか、2016年のアカデミー賞でスピルバーグ作品『ブリッジ・オブ・スパイ』(16年)により助演男優賞を受賞した俳優マーク・ライランス(本作ではBFG役)、オーディションでスピルバーグ監督の目にとまり女優歴約2年でキャストに抜てきされた10歳のルビー・バーンヒル(ソフィー役)をはじめとする出演陣が登場。メイン会場の赤い大階段を前に、本作の披露を祝い、主演のライランスが「楽しいよ、すごく興奮する」と述べると、会場からは割れんばかりの拍手が送られた。  

また記者会見も開かれ、キャストやスタッフが作品への思いを語った。スピルバーグ監督は近年、シリアスな作品を撮り続けている中で、ファンタジーを選んだことについて「想像の中の世界をストーリーとして語るということをしてみたかった」と告白。「歴史的な映画を作るとき、歴史の事実を正しく伝えるためにこのような想像力は横におかなければならない」としながら、本作では「そういう規制がなく、自由な形で展開できた。若いフィルム・メーカーに戻ったような気持ち」と明かした。

続けて、「原作を友人でもあるメリッサが素晴らしい脚本として書き上げてくれた。自分の夢が実現するなって思った」と絶賛。「僕はいつも良いストーリーを追い求めている」とも話し、「時には子供たちの顔を見てピンとくることもある。僕はまさにこの『BFG』の原作を子供たちのために読んであげていたんだ」と打ち明ける。その上で「子供たちの反応でよくわかるんだよ。この物語は子供達の心をしっかりとつかむ美しい物語だから、原作の世界をもっと広げられる」と自信を見せた。

一方のバーンヒルは、人生初の報道陣を前にやや緊張した面持ちで、「子供のTVショー番組にでたことはありましたが、今回は本当に夢のような経験」と歓喜。「こうしてカンヌ国際映画祭に来ているなんて、すごい経験だと思います。やったー! って感じ」と小さくガッツポーズして、周りの拍手を誘いつつ、照れ笑いを浮かべながらコメントした。これに、隣のスピルバーグ監督も「よくできました」とバーンヒルの頭を撫で、温かく微笑ましい関係が垣間見られた。

さらに、本作の日本初となる特報映像も公開。舞台はロンドンで、児童養護施設に暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーは、真夜中に窓から入ってきた”巨大な手”に持ち上げられ、「巨人の国」に連れ去られてしまう、ミステリアスな映像となっている。

ワールドプレミアの模様 (C)CANAL+ / ORANGE / AFFIF


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