JR西日本はこのほど、「山口デスティネーションキャンペーン」(2017年9~12月)に合わせて投入する「SLやまぐち号」の新製客車の詳細を公表した。SL全盛期の旧型客車のイメージを踏襲しつつ、時代にマッチした利便性と快適性を持ち合わせた車両となる。

旧型客車を復刻した新製客車の外観イメージ

新製客車は5両編成で、グリーン車の1号車は当時の1等車、普通車の2~5号車は当時の3等車をモデルに復刻。1号車には展望室と展望デッキを備え、床と座席に木材を使用して1等車の重厚な雰囲気を再現する。

3号車には座席の他に体験・学べるスペースを設け、山口線の映像でSL運転を体験できる運転シミュレーター、かま焚き体験ゲーム、SLを紹介するパネル展示など、学びながら楽しめるコーナーとする。SL車内で楽しめるSL運転シミュレーターは全国初となる。

客車の窓は開閉可能で、大自然のさわやかな風や機関車から漂う石炭のにおいをを感じながらSLの旅が楽しめる。復刻のモデルとなった車両よりもボックス席の幅を拡大するほか、バリアフリー対応、多目的トイレ・温水洗浄機能付きトイレの設置、各車両でのベビーカー置き場の確保、大きな荷物にも対応した荷物棚の設置など、レトロ感を守りつつ現代の車両ならではの快適性を備えたものとする。

JR西日本のグループ会社や沿線住民との連携による、こだわりのSL弁当や特産品の車内販売、停車駅でのもてなしなども検討しているという。