オークローンマーケティングはこのほど、「女性の働き方・働きがいに関する調査」の結果を発表した。調査は3月5日~7日、首都圏の20~50代の会社員男女800名(男女各400名)を対象に、インターネットで行われた。

男女ともに"女性管理職登用"に賛成多数

「女性管理職の登用について、どう思いますか」

「女性管理職登用」の推進について尋ねたところ、男女ともに賛同(男性79%、女性93.3%)している人が多く、特に女性では、「あまり賛成しない」が6%、「反対」が0.8%と、消極的な意見の人がほとんど見られなかった。

しかしながら、総務省統計局が行った労働力調査によると、2014年の階級別役職者に占める女性の割合は、部長クラスが6.0%、課長クラスが9.2%、係長クラスが16.2%といずれも低く、女性管理職登用が進んでいない現状が浮き彫りとなっている。

働く女性8割超が"家庭と仕事の両立"に不安

「女性が"働きがい"を持って働き続けるにあたっての不安な要素(女性のみ)」

続いて、女性を対象に、"働きがい"を持って働き続けるにあたっての不安な要素を尋ねたところ、8割超が「育児」や「親の介護」など、家庭と仕事との両立に不安を感じていることがわかった。

男女ともに"夫の協力"が不可欠と認識

「結婚・出産後の理想の働き方」

次に、結婚・出産後の理想の働き方についても聞いたところ、男女ともに「産休・育児休暇を経て職場に復帰し、仕事と育児を両立したい(してほしい)」(男性33.0%、女性44.5%)が最多回答となった。また、再就職やパートで働きたい人も合わせると、女性の8割超が家庭以外での役割を持ちたいと感じていることが判明。さらに、妻に出産後も働いてほしいと思っている男性も7割を超えた。

では、現在の職場で仕事と育児の両立ができている人はどのくらいいるのだろうか。前質で「職場に復帰し、仕事と育児を両立したい」と回答し、実際に子どもを持つ女性を対象に聞いたところ、約4人に1人(24.5%)が、仕事と育児の両立に課題を感じていることが明らかとなった。

「女性が仕事と家庭・育児を両立させるために必要だと思うこと」

そこで、女性が仕事と家庭・育児を両立させるために必要だと思うことを尋ねたところ、女性の81%、男性の72%が「夫・家族の理解・協力(家事や育児の分担など)」と回答。次いで「職場の雰囲気」「上司の理解」「出産後、仕事に復帰するための社内制度の充実」と続き、職場環境に加え、周囲のサポートや理解が重要と感じていることがわかった。

男性の育児休暇取得率、わずか7.3%!

「実際に育児休暇を取得したことがありますか(男性のみ)」

次に、男性の育児休暇取得について調べたところ、実際に取得したことがある人はわずか7.3%となり、そのうち「スムーズに職場復帰することができた」人は5.3%という結果に。一方で、「今までに取得したことがなく、今後も取得しないつもりだ」と回答した人は52.8%と、男性の育児休暇取得に対する意識の低さが伺える結果となった。

「育児休暇取得にあたり、不安な要素は何ですか(男性のみ)」

そこで、なぜ男性が育児休暇取得に積極的になれないのかを探るため、育児休暇取得に対する不安な要素を尋ねたところ、「休暇中の給与の減少(36.8%)」だけでなく、「職場に、過去に取得した人がいない(少ない)(32.8%)」や「職場に、育児休暇を取得しづらい雰囲気がある(31.3%)」など、会社の雰囲気が大きな要因となっていることがわかった。

必要な制度と実際にある制度にギャップ

「仕事と家庭・育児を両立させるために必要な制度・実際に導入されている制度」

最後に、仕事と家庭・育児を両立させるために必要な制度と、働いている会社で実際に導入されているものを教えてもらったところ、男女ともに「短時間勤務制度」「産休・育休」「フレックスタイム制度」の3つが多くあがった。

また、女性では「1時間単位での有給取得(58.5%)」や「テレワーク(在宅勤務)(50.3%)」、男性では「夫への配偶者出産休暇の付与(56.8%)」と回答した人も半数を超え、働く時間を自由に調整したいと感じている人が多いことがうかがえた。