ノルウェーのOpera Softwareは4月21日(現地時間)、Operaブラウザの開発バージョンの最新版(バージョン38)にVPN(Virtual Private Network)機能を統合したと発表した。同機能から無料・無制限のVPNサービスを利用できる。

VPNは、パブリックなインターネット接続にプライベートネットワークを仮想的に実現する。一般のネットユーザーの場合、VPNサービスを利用することで、インターネット接続の匿名性を高められる。たとえば、公衆Wi-Fiを利用する際などのプライバシー保護を強化できる。他にもIPアドレスで利用できる国・地域が制限されているサービス(動画ストリーミングサービス、オンラインストアなど)へのアクセスにも利用できる。海外に出かけた際に普段使用しているサービスにアクセスできなくてもVPNサービスを使用するとアクセスできる場合がある。

Global Web Indexによると、世界で5億人以上が現在VPNサービスを利用または使用しようとした経験を持つ。VPNを使用する理由のトップ3は「より良いエンターテインメント・コンテンツにアクセスするため(38%)」「ブラウジング時に匿名性を維持するため(30%)」「国・地域で制限されているネットワークやWebサイトにアクセスするため(28%)」だ。

Operaは、VPN機能を統合した理由について「オンラインにおいても、誰もがプライベートになりたい時になれるべきである」と説明している。OperaブラウザのVPN機能は、仮想IPアドレスを用いたIPアドレスの匿名化、ファイアウォールやWebサイトのアクセス制限のアンブロック、公衆Wi-Fi接続時のセキュリティ向上などに役立つとしている。

誰でも簡単に活用できるように実装されており、設定でVPNをオンにすると、アドレスバーにVPNボタンが現れる。そこからオン/オフの切り替え、仮想ロケーション(仮想IPアドレス)の確認・変更などを行える。現時点で選択できる仮想ロケーションは米国、カナダ、ドイツのみだが、製品版ではより多くの国を選べるようになるそうだ。ユーザーはVPNボタンからポップアップするウインドウで、VPNを通じたデータ伝送量などの統計も確認できる。