ミュージカル俳優の井上芳雄が、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の新作舞台に主演することが8日、わかった。公演は2017年2月、Bunkamuraシアターコクーンにて上演予定で、ヒロインは女優の小池栄子が務める。

左からケラリーノ・サンドロヴィッチ、井上芳雄、小池栄子

井上は"ミュージカル界のプリンス"と呼ばれ、数々のミュージカルに主演、近年はドラマやストレートプレイ、バラエティ番組での活躍も増えている。"ナンセンスコメディの旗手"と言われるKERAは、劇団ナイロン100℃の主宰を務め、数々の賞を受賞しており、"プリンス"井上とは異色の組み合わせと言える。

井上は「一見接点がなさそうな僕に興味を持ってくださった事に、半信半疑というかうれしい驚きでした」と心境を語った。また、ミュージカル俳優ながらさまざまな作品に出ることについては、「今、自分の中で"ミュージカル"と"ストレートプレイ"の垣根がどんどん無くなって来ています。その決定打として『こいつ本当に芝居をやりたいんだな』と思っていただける作品になればと思います」と、舞台への思いを明かした。

ヒロインの小池は、2015年にKREAとタッグを組んだ舞台『グッドバイ』で第23回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞、作品自体も最優秀作品賞に輝くなど、既に大きな結果を残した組み合わせ。小池は「『グッドバイ』に続き大好きなKERAさんの演出を受けられる事、しかも初めてのシアターコクーン、そしてお相手は才能あふれる王子様、井上芳雄さん。今から興奮で鼻血が止まりません(笑)」と気合を語った。

脚本・演出を務めるKERAは「もう何年も前に井上芳雄くんにオファーしました。ストレートプレイだということ以外にはまったく、何一つ、共演者すら誰ひとりとして決まっていないにも拘わらず、彼は快諾してくれました」と経緯について語った。更に、『グッドバイ』から続けてのタッグとなる小池について「今回はもっとずっと複雑な女性を演じてもらうことになるでしょう。難役をあてがいたくなるのは抜群にうまいからです」と期待を寄せた。