米Appleは3月30日(現地時間)、Webブラウザ「Safari」のテクノロジープレビュープログラムを開始し、Safari Technology Preview Release 1(OS X 10.11.4以上)を公開した。Google ChromeやMozilla FirefoxのBetaプログラムと同様、今後Safariに組み込む予定の新しいWebテクノロジーや新機能のプレビュー、最新のパワフルな開発ツールへのアクセスを提供し、フィードバックを収集する開発者向けプログラムだ。
SafariのブラウザエンジンであるWebKitにも「WebKit Nightly」という開発者向けプログラムがあるが、Safari Technology PreviewはSafariの機能を備えたSafariのテスト版であり、Nightlyよりも安定している。Appleによって署名されているので、iCloudとの連携(ブックマークやリーディングリスト、履歴のクラウド同期など)といったAppleのサービスを利用可能。Mac App Storeにも対応しており、最初にAppleの開発者向けサイトからダウンロードしてインストールしたら、その後はOS XのApp Storeを通じて数週間ごとにアップデートが提供される。
Safari Technology Previewはスタンドアロンのアプリケーションとして動作し、OS X標準の製品版Safariと併用できる。履歴、ブックマーク、クッキー、キャッシュといったローカルデータは、製品版のSafariとは別に保存される。
Release 1は高速なB3 JavaScript JITコンパイラを搭載し、ECMAScript 6のサポートの向上が図られている。また最新のShadow DOM仕様に対応し、Content Security Policy Level 2をサポートする。
現時点でSafari Technology PreviewはOS X版のみ。iOS版のSafariにもテクノロジープレビューが拡大するかは不明だが、Safari Technology Previewのサイトには「OS XおよびiOSの来たるべきWebテクノロジーをスニークピーク」という記述がある。