トレンド総研はこのほど、「スマホ老眼」についての調査結果を明らかにした。同調査は1月14日~15日、20~30代のスマートフォンユーザー男女500名を対象にインターネット上で実施したもの。

スマートフォンの長時間利用における懸念点

「老眼」とは、加齢による老化現象の1つであり、近いところが見えにくくなるといった症状がある。一般的に、40代くらいから「老眼」の症状を自覚するという人が多いが、最近はスマートフォンやパソコンなどを長時間利用し、目を酷使することで、"老眼のような"症状が出る「スマホ老眼」が問題となっている。

「スマートフォン利用歴」を質問したところ、最も多かった回答が「3~4年以内」(45%)、次いで「5~6年以内」(33%)だった。続いて「1日のスマートフォン利用時間」を聞くと、平均は「3.3時間」という結果になった。また、約3人に1人(31%)は「5時間以上」と回答している。

「スマートフォンの長時間利用における懸念点」を聞いたところ、最も多かったのは「目に対する負担」(70%)だった。「インターネットへの依存」(48%)、「姿勢が悪くなる」(35%)、「生活リズムや生活習慣の乱れ」(32%)などを大きく上回っている。

スマートフォンを利用するようになってから、目に関する悩みが増えたと思うか聞くと、64%が「そう思う」と回答した。スマートフォンを長時間利用していて「手元がぼやけたり、見にくいと感じた経験がある」という人も4割以上(42%)にのぼっている。

スマートフォンを利用するようになってから、目に関する悩みが増えたと思いますか?

具体的なエピソードについては、「電車の待ち時間にスマホを見た後、駅の看板に目を移すとぼやけて見えないことがある」(28歳・男性)、「スマートフォンを見ている途中でテレビに目をやると、見づらく感じる」(27歳・女性)など。こうした症状は、いわゆる「スマホ老眼」の兆候であり、注意が必要とのこと。

調査対象者に、スマホ老眼に関する説明をした上で、「自分が『スマホ老眼』だと思うか」を聞いたところ、39%が「そう思う」と回答。自覚があると答えた人に、「対策の必要性を感じるか」と尋ねたところ、89%が「感じる」と答えている。

自分は「スマホ老眼」だと思いますか?

「スマホ老眼」の対策の必要性は感じますか?

同社では、眼科医の岡野敬先生監修のもと、「スマホ老眼」予備軍チェックリストを作成した。「目が乾きやすかったり、しょぼしょぼする」「まぶたがピクピクけいれんする」など、10個の項目のうち、2個以上当てはまる人は、スマホ老眼の予備軍と言えるとのこと。

『スマホ老眼』予備軍チェックリスト(岡野敬先生監修)

岡野先生によると、スマートフォンは「小さな画面」の中で「細かく動くもの」を「長時間見る」ことが多く、目に負担をかけやすいツールだという。

人は、目の中にある毛様体と呼ばれる筋肉を使ってピントを合わせているが、スマホを長く見続けていると、この「ピント調節筋」(毛様体筋のこと)がコリ固まり、動きが鈍くなってしまうという。そのため、ピント調節がうまく働かなくなり、加齢による老眼と同じような症状が出てしまうとのこと。

スマホ老眼を防ぐには、「目を疲れさせないこと」が重要であると岡野先生は語る。スマートフォンを使用する時には、時間を決めて、明るく見やすい位置で使い、どうしても長時間使う必要がある場合は、こまめに目を休ませるようにする。目安としては、連続90分以内。パソコン作業の休憩にスマートフォンを見るのも避けたほうがいいという。

加齢による「老眼」は、ピント調節をする筋肉そのものが老化しているため、元に戻すことは難しいが、「スマホ老眼」はピント調節筋の働きを取り戻せば改善が期待できるとのこと。「血流をよくして、筋肉のコリをほぐすことがポイント。目をあたためることや、マッサージ、ツボ押しをするのがおすすめです」と岡野先生。

なお最近では、ピント調節筋に直接働きかけ、ピント調節機能を改善し、目の疲れを緩和する目薬も登場しているとのこと。