特許庁は3月10日、2014年度における模倣被害の状況を取りまとめた「2015年度 模倣被害調査報告書」を発表した。それによると、2014年度に模倣品や海賊版の被害を受けた企業の割合は21.9%(896社)となり、前年度(22.0%)からほぼ横ばいとなった。

模倣被害社数及び模倣被害率の推移(出典:特許庁Webサイト)

中国・韓国・台湾などアジア地域での模倣被害が多い

国・地域別の被害状況をみると、前年度に続いて中国が最も多く64.1%。以下、韓国が18.9%、アセアン6カ国が18.8%、台湾が18.0%と続き、依然としてアジア地域での被害が深刻な状況となっている。

商品分野別の被害率は、「雑貨」が41.8%でトップ。前年度比は、「雑貨」「電子・電気機器」「食品」で増加したのに対し、「一般機械・産業機械」「運輸・運搬機械」で減少した。

権利別の被害の割合は、商標が56.4%、特許・実用新案が34.0%、意匠が30.0%、著作物が17.4%となった。模倣被害を受けた企業のうち、インターネット上で被害を受けた企業は前年度比1.8ポイント増の62.3%で、2012年度以降、3年連続で6割を上回った。

同庁は「インターネットでの商取引が増えていることが一番の理由」と分析し、「インターネットで被害が増えているということや、どのような対策が効果があるのかということを知っていただくことが大事だと考えている」としている。

調査対象は知的財産の権利出願件数が多い企業・団体8,090社。調査期間は2015年9月14日~11月30日、有効回答は4,090社。