JR北海道は1日、北海道新幹線函館新幹線総合車両所(北海道七飯町)の報道公開を実施した。3月26日の新青森~新函館北斗間開業後はめったに見られないと思われる、着発収容線にH5系全4編成が並ぶ姿も特別に公開された。

函館新幹線総合車両所が公開され、H5系4編成が並んだ

函館新幹線総合車両所は、JR北海道が所有する新幹線車両の日常的な検査から大規模な検査・修繕まで行う北海道で唯一の総合車両基地。北海道新幹線と函館本線に挟まれた約36万平方メートルの用地に、車両を留置する線路設備や検査・修繕のための検修施設、重要部品の解体検査・修繕を行う工場施設、線路や電気設備の保守を担う保守基地を配置。現在、53名の社員が開業に向けた日々の業務にあたっているという。

報道公開ではまず、営業列車として運行しない車両が留置される新幹線の車庫「着発収容庫」を外側から見学。この日はH5系全4編成が車庫内に収容されており、先頭車両先端部を車庫内から引き出す「頭出し」で展示された。北海道新幹線が開業すると、少なくとも日中時間帯にH5系4編成がこの場所にそろうことがなくなるため、この光景が見られるのは今回が最初で最後になるかもしれない。

続いて、新幹線車両の検査を行う「仕交検庫」を内部から見学。レールは4線あり、消耗品の取替えやパンタグラフ・台車・ブレーキ装置などを外側から検査する仕業検査に1線、各機器のカバーを外して内部の状態を確認する交番検査に2線を使用する。車体に付着した雪や氷を落とすための融雪線も1線設けられた。

H5系は台車がカバーに覆われており、雪が入り込んでたまりやすく、そのためにホースでお湯をかけて溶かす作業が必要になるのだという。仕交検庫の壁面上部を見ると、架線に電気が通っていることを示す「入」の文字が4線中2線の上部に灯っていた。

北海道新幹線は「長年の悲願。新幹線ブランドの品質・定時性を守りたい」

この日の報道公開で取材に応じた函館新幹線総合車両所の所長、井原禎之氏は、「1年半前から作業しているので、やっと来たなという思い。明日にでも開業できる気持ちで毎日作業しています」と胸を張る。

(写真左から)取材に応じた井原禎之氏、澤川一之氏、里見拓真氏

報道陣の要望で敬礼する場面もあった

新函館北斗駅発の開業一番列車に乗務する予定の運転士、澤川一之氏は、「(一番列車への乗務を告げられた)当初は緊張を感じなかったが、一番列車のきっぷに関する報道を見て、緊張感が高まってきています。訓練運転と同じように平常心を保ち、定時運行と安全運転に努めたい」とコメント。同じく一番列車に乗務する車掌、里見拓真氏も、「北海道らしいアナウンスを車掌全員で考えています。天気や窓から見える景色、季節のあいさつなど、北海道らしいおもてなしに努めたい」と抱負を語った。

函館新幹線運輸所長の伊藤章伸氏も取材に応じ、「道民にとって長年の悲願なので、期待も感じています。しっかりと開業を迎え、先輩たちが築き上げた新幹線ブランドの品質や定時性を守っていきたい。3月22日からの4日間、いよいよ最終切替えの試験となるので、やり残しがないよう万全の態勢であたりたい」と気を引き締めていた。

函館新幹線総合車両所の施設内の様子と、4編成並んだH5系