米AMDは23日(現地時間)、組み込み向けSoC第3世代「AMD Embedded G」シリーズを発表した。開発コード名"Prairie Falcon"と"Brown Falcon"という2モデルをそろえる。前世代モデルから電力効率とパフォーマンスが向上したほか、2015年10月に発表した「Rシリーズ」とピン互換を実現したという。第3世代「G」シリーズはすでに提供を開始、2016年第1四半期と第2四半期にラインナップの拡充を予定する。

第3世代「AMD Embedded G」シリーズ(Brown Falcon)

シンクライアントやIPセットトップボックス、テレビ、遊技機、産業機器制御やと自動機器、デジタルサイネージ、通信ネットワークなどをターゲットとしたSoC。CPUに最大2コアの"Excavator"コア、グラフィックスに第3世代GCNベースのRadeonコアを採用し、前世代モデルと比較して、パフォーマンスが大幅に向上したという。メモリは最大2チャンネルのDDR4/DDR3、TDPは6~15W。

また、4K解像度のH.265デコードとマルチフォーマットのエンコードやデコードに対応するほか、インタフェースとしてHDMI 2.0やDisplayPort 1.2、embedded DisplayPort(eDP) 1.4をサポートする。

このほか、グラフィックスAPIは、OpenGL ES、OpenCL、DirectX 12、EGLに対応。 「AMD Secureプロセッサー」も統合する。

なお、第3世代「AMD Embedded G」シリーズは、2015年10月に発表したハイパフォーマンス向けの組み込みプロセッサ「AMD Embedded R」シリーズ(開発コード名:Merlin Falcon)とピン互換を実現したという。

エントリー向けの「AMD Embedded G LX」も発表

AMDはまた、エントリーレベル向け「AMD Embedded GシリーズLX SoC」も合わせて発表した。低消費電力かつ、高コストパフォーマンス志向の製品。小売店用のPOS端末やデジタルサイネージ、業務用ゲーム機、産業機器制御などをターゲットとする。

第2世代「AMD Embedded G」シリーズ(開発コード名:Steppe Eagle)をベースとし、CPUコアに"Jaguar"コア、グラフィックスにGCNベースのRadeonコアを採用。ピン互換となっている。メモリはシングルチャンネルのDDR3、TDPは6~15W。

第3世代「AMD Embedded G」シリーズと同様に、マルチフォーマットのエンコードやデコード、HDMI 2.0やDisplayPort 1.2、embedded DisplayPort(eDP) 1.4をサポートする。

2016年3月に発売を予定。工業用拡張温度に対応したSKUも用意するという。