JR東日本は国土交通省に対し、全国新幹線鉄道整備法にもとづく新幹線鉄道大規模改修引当金積立計画の申請を行ったと発表した。東北・上越新幹線の大規模改修に備え、2031年までの15年間で3,600億円を積み立て、その後の10年間で取り崩して工費の一部に充てる。

東北新幹線「はやぶさ」などに使用されるE5系

大規模改修はおもに橋りょう・トンネル・土工を対象としたもので、2031年4月に着手。鋼製の橋りょうでは、橋脚・橋台コンクリートの部分的な打ち替え、橋桁と橋脚・橋台の間の支点部材の取替え、橋脚の補強などを実施する。コンクリート橋では、コンクリートの表面を樹脂などで被覆する工事を行う。

トンネルでは、鉄筋の埋め込みやトンネル内側へのシート貼り付けなどによる覆工コンクリートの補強、杭の打ち込みによるトンネル下面の補強を計画。土工はのり面の取替え・補強工事を中心に行う。

工事期間は2041年3月まで、10年間の工事費用は総額1兆406億円にのぼる見込み。なお、引当金積立計画が承認された場合、2030年度までの15年間は毎年240億円の営業費増となり、2031~2040年度は引当金の取崩しにより、毎年360億円の営業費減となる。