近畿日本鉄道は17日、南大阪線・吉野線観光特急の名称を「青の交響曲(シンフォニー)」とし、9月10日から運行開始すると発表した。一般車両6200系を改造した16200系1編成を使用し、大阪阿部野橋~吉野間を1日2往復する。

近鉄16200系「青の交響曲」外装イメージ(画像はすべて近畿日本鉄道提供)

同社は南大阪線・吉野線沿線の観光振興を目的に「上質な大人旅」がコンセプトの観光特急を計画し、昨年10月に列車名を募集した。「青の交響曲」の名称は3,895件の応募案を参考に同社が考案したもので、「この沿線を『青色の列車』が走り、魅力的な観光資源と調和し響き合うことをイメージして命名」されたという。列車名にちなみ、クラシック曲をアレンジしたメロディも制作。大阪阿部野橋駅での出発予告放送(発車メロディ)や、車両に装備するミュージックホーンなどに使用される。

この観光特急に使用される16200系は3両編成。落ち着いた濃紺色の車体にゴールドのラインをあしらい、車体前面・側面にエンブレムなど特別な装飾を施した。定員は65名(全席座席指定・全車禁煙)で、1・3号車に座席を設け、2号車をラウンジ車両とした。

座席スペース(1・3号車)は幅広のデラックスシートを採用した横3列(2列+1列)の配置となり、グループでの旅行を楽しめるように、テーブルを備えたサロン席(3~4人用)・ツイン席(2人用)も設置。座席・カーペット・カーテンに質感のある素材を用い、座席の一部に吉野地域の竹材も採用するなど、上質な空間を演出する。1号車に車いす対応の座席や多目的トイレも設置される。

座席スペース(1・3号車)イメージ

ラウンジスペース(2号車)イメージ

バーカウンター(2号車)イメージ

「青の交響曲」名称ロゴ

ラウンジ車両(2号車)では、革張りのソファを配置し、LEDの間接照明を活用して非日常感を演出するなど、ホテルのラウンジをイメージした空間に。バーカウンターの背面もホテルのバーをイメージしたディスプレイとなる。バーカウンターでは専属のアテンダントが地元の特産品を活用したスイーツやワイン・地酒・ハイボールなどを販売する。

「青の交響曲」は1日4便(2往復)設定され、1便は大阪阿部野橋駅10時10分発・吉野駅11時26分着、2便は吉野駅12時34分発・大阪阿部野橋駅13時51分着、3便は大阪阿部野橋駅14時10分発・吉野駅15時26分着、4便は吉野駅16時4分発・大阪阿部野橋駅17時22分着で運行。2016年度の運行スケジュールも公開され、9月10日以降、水曜日を除く毎日運行(水曜日が祝日の場合も運行)される予定だ。料金(特急料金・特別車両料金の合計)は大人720円・小児370円。これとは別に普通運賃も必要となる。

「青の交響曲」車内レイアウト・外装イメージ

なお、近鉄は今年3月19日にダイヤ変更を予定しており、同日から9月9日まで、「青の交響曲」と同じダイヤで一般特急列車を運行。9月10日以降も「青の交響曲」の運休日に同ダイヤで一般特急列車を運行する。運休日や運行ダイヤ以外の時間帯を利用し、16200系を使用した「ワイン列車」などのイベント列車や貸切列車も運行される予定で、詳細はまとまり次第、別途発表するとのこと。