ネオポストがフランス国内で展開しているロッカー

ヤマト運輸はこのほど、宅配物を好きな時間に受け取れる「オープン型宅配ロッカー」の事業を開始すると発表した。駅などに設置されたロッカーに、宅配業者が荷物を保管。利用者はそのロッカーから宅配物を受け取れるという仕組みだ。フランスで既に同事業を実施しているネオポストと合弁会社をつくり、運用する。

好きな時間に人を介さず受け取れる

同事業は、再配達を減らすなどの目的で実施されるもの。2014年12月に行われた国土交通省の調査によれば、国内の宅配便のうち約2割が再配達の対象となっているという。同社としても、ドライバー不足や環境問題の観点から、社会的な課題として解決する必要に迫られたとしている。

これまでも同社では、「コンビニエンスストアを活用した受取場所の拡大」「配送予定を事前にメールする」などの施策を行い、再配達の減少に努めてきた。一方で、それ以外に同事業のようなロッカーを整備してほしいという要望は一定数あったという。「都合のいいタイミングで受け取りたい」「都合のいい場所で受け取りたい」という声に加えて、「宅配便の引き取りを待たずに手間なく済ませたい」「人を介さずに受け取りたい」という声も多かったとのことだ。

都内では試験運用が開始

実は同社では、練馬区内の地下鉄駅構内などで宅配ロッカーの事業を試験的に実施している。実施場所は、東京メトロの「小竹向原駅」「氷川台駅」「平和台駅」など6カ所だ。同社の会員サービスを利用し、荷物が配達される前、もしくは再配達前に、ロッカーでの受け取りを選択すると、メールで「ロッカー解鍵用パスワード」が送られてくる。そのパスワードをロッカーのタッチパネルに入力すると扉が開き、荷物を取りだせるという仕組みだ。今後の事業展開においても、同様の運用を検討しているという。

しかし、今後のロッカー設置場所は「公共性の高い場所」としながらも、地域・場所を含め未定。目標設置台数も「社内では共有しているが公表していない」という。しかし、「ロッカーのニーズが高いと思われるエリアに設置していく」とのことだった。

またこの事業では、同社以外の宅配事業者の利用も想定しているという。担当者は「さまざまな企業がさまざまに宅配ロッカーを設置するのは、利用者も混乱するし、非効率。できれば他社にも利用してもらい、業界全体の効率化を図りたい」と話した。

国内ではほかにも、楽天や西友、それにイオンなどが、自社で扱っている商品について、受け取りが行えるロッカーの設置を始めている。共働き世帯の場合、平日は仕事で家を空けており、週末はというと子どもと一緒に外出することも多い。「買い物に行く時間が取れないからネットで買ったのに、それを受け取る時間がない」という声も聞く。共働き世帯が増えている今、便利な宅配方法がより充実していくことを願いたい。