人間ドック・健診予約サイト「マーソ」を運営するマーソは26日、「がん死亡率」についての日本と世界諸国の違いに関する独自調査の結果を発表した。「世界保健統計2015」によると、日本人の平均寿命は84歳で世界トップだが、先進国においてがん死亡率が年々増加しているのは日本だけとのこと。なぜ日本ではがんによる死亡率が増加し続けているのか、今回はその調査結果について報告している。

「国別がん死亡率の推移」

先進国では高度な技術・医療施設が整っており、日本の医療レベルも高い水準と言われているが、日本だけがんによる死亡率が増加している。その原因の1つは、「検診受診率の低さ」であり、日本のがん検診受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国34カ国中最低水準とのこと。米国では1970年代から国を挙げて取り組み、1990年代前半からがんによる死亡率は減少に転じている。例えば、米国の乳がんと子宮頸(けい)がんの検診受診率が70~80%であるのに対し、日本はその約半数の40%という低い値となっている。

「乳がん・子宮頸(けい)がん検診受診率」(ドイツ・アメリカ・フランスは2015年度データ、イギリス・イタリアは各国のスクリーニング(検診)プログラムでの受診率、日本はアンケート調査による受診率)

2015年、タレントの北斗晶さんが乳がん摘出手術を行ったという報道が9月23日に発表され、「乳がん」の検索数は急上昇したが、翌月には元の数値に戻ったという。この報道により「乳がん検査」の重要性に気づき、今後は受診率が増えていくかと思われたが、一過性の反応にすぎなかった。この出来事に関して同社は、「人々の潜在意識の中には、がんや様々な病気に対する不安があるにも関わらず、何か自分の身近で大きなきっかけがないと『受診』という行動に移すことができないでいるのが現状」だと分析している。

「『乳がん』の検索ボリューム」