JR東日本はこのほど、伊東線を中心に導入を検討してきた「のってたのしい列車」の列車名・車両デザインを発表した。列車名は「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」に決定し、今年夏以降、土休日を中心に小田原~伊豆急下田間で運転される。

651系のリゾート列車「伊豆クレイル」エクステリアイメージ(画像はすべてJR東日本横浜支社提供)

「伊豆クレイル」は常磐線特急「スーパーひたち」などで活躍した特急形電車651系を使用し、4両編成で運転。4両中3両(1・3・4号車)が座席車、残り1両(2号車)がカウンターを備えたラウンジ車となる。外観は力強い印象だった651系をリデザインし、やわらかさ・女性らしさを取り入れ、ピンクゴールドのラインで伊豆ゆかりの「桜」「海風」「さざ波」を描くなど、エレガントな大人のリゾートを表現したという。

インテリアは和モダンをベースに、伊豆の豊かな自然を感じられる心地良い空間に。通路のカーペットは桜の花びらが川面を流れる様子をイメージしたデザイン、天井は朝日に照らされた竹林が織り成す影をイメージしたデザインとなった。2号車はバーカウンターとラウンジを併設し、景色を眺めながらくつろげるシックな空間とした。

1号車(画像左)・4号車(同右)は座席車。海側が青、山側が緑の配色に

3号車はコンパートメント席

2号車はラウンジ車

1・4号車の座席は海側に青、山側に緑を採用。車窓に広がる伊豆の海と山をイメージした。1号車は海側に2名用カウンター席、山側に向かい合わせの座席を配置。4号車は回転式リクライニングシートと固定式ボックスシートを採用し、1名からグループまで幅広く利用できる。3号車は海側に面してコンパートメント席を設け、座席に夕日をイメージしたオレンジを採用。車いすを置けるスペースを確保したコンパートメント席も1室配置する。

「伊豆クレイル」ロゴマーク

列車名に採用された「クレイル(CRAILE)」は、「大人」「成長した」を意味するイタリア語「Cresciuto(クレッシュート)」、列車の「train(トレイン)」、「~に適した」の意味を持つ接尾辞「ile(イル)」による造語で、「大人に適した列車」を意味し、「C」(クール)・「RAIL」(レール)・「E」(エレガント)を組み合わせた表記に。「景色と食、お酒を楽しむクールでエレガントな大人のリゾート列車で、伊豆に来てほしい(来てくれ~る)というメッセージを込めました」(JR東日本横浜支社)とのこと。

「伊豆クレイル」の定員は98名となる予定。今年夏以降、全車グリーン車指定席の快速列車として、土休日を中心に1日1往復運転され、下りは小田原駅11時40分頃発・伊豆急下田駅14時6分頃着、上りは伊豆急下田駅15時9分頃発・小田原駅17時12分頃着となる。途中停車駅は熱海駅・伊東駅・伊豆高原駅・伊豆熱川駅・伊豆稲取駅・河津駅。具体的な運転開始日や車内サービスなどの詳細は今後、順次発表される。