母国の寿司と日本の寿司はどう違う?

海外で日本食レストランに行くと、必ずと言っていいほど寿司がある。そのため、「日本食=寿司」と認識している外国人も多い。しかし、海外で見かける寿司はネタも形状も価格も、日本のそれとは違うことも。そこで今回、日本に住む外国人20人に母国の寿司と日本の寿司の違いを聞いてみた。

欧州 -「日本の寿司が最高」と絶賛

・「日本の寿司は世界一! 米の質、魚の新鮮さ、雰囲気など最高!! 欧米では中国人や韓国人が寿司バーをやっているが(パリにもモロッコ人が経営する寿司バーがある)、どこも高い」(フランス/35歳/男性)

・「日本の寿司は新鮮で味がおいしい。盛り付けもきれい」(チェコ/58歳/男性)

・「やっぱり日本の寿司が最高で、ウクライナの寿司はちょっと味が違う」(ウクライナ/25歳/男性)

・「寿司はロシアだけでなく、他の国でもトライしてみたが、やっぱり日本の味とは全然違う! 米の種類や炊き方、魚の鮮度、そしてワサビまで、海外では安っぽいものを使っていることが多い。日本みたいにおいしい寿司を私は海外で食べたことがない」(ロシア/31歳/女性)

・「魚が新鮮。また、ポーランドでは日本にないバターフィッシュを使ったものが多い」(ポーランド/30歳/女性)

・「日本の魚は新鮮。食感で分かる」(イギリス/31歳/女性)

・「日本の寿司は新鮮でおいしい。ブルガリアでは寿司を食べた経験がない」(ブルガリア/33歳/女性)

・「ギリシャで寿司を食べたことがないので比べることができない。でも、日本の寿司は非常においしい」(ギリシャ/33歳/男性)

アジア -「味は特に変わらない」の声も

・「香港とあまり変わらない。ほとんど味も一緒で、違いは鮮度だけ」(香港/34歳/女性)

・「やはり雰囲気が違う。日本のお寿司屋さんは高級そうな感じだが、台湾は結構にぎやかな感じ。味は特に変わらないと思う」(台湾/30歳/女性)

・「シャリの食感と魚の切り方が違う。マレーシアの方が強く握っているので食感は全然違う。また、マレーシアでは創作寿司が人気」(マレーシア/31歳/女性)

・「日本の寿司は種類が多くて新鮮」(インドネシア/36歳/男性)

・「中国で寿司を食べたことない。安心して食べられない」(中国/28歳/男性)

・「ベトナムで日本風の寿司を食べたことがないが、ベトナムにある日本食レストランの寿司はやっぱり日本の本番のものより劣っていると思う」(ベトナム/36歳/男性)

・「特になし」(韓国/34歳/男性)

・「モンゴルで食べたことがないので比較しようがない」(モンゴル/39歳/女性)

・「寿司を初めて食べたのは日本で、その時は生だから気持ち悪いと思った。フィリピンの寿司は新鮮かどうか不明……」(フィリピン/35歳/女性)

中東 -「母国に寿司がない」の声も

・「値段が違う。エジプトで食べた寿司は日本の3倍した。味も違う。魚の種類やとれた時間などが理由だと思う」(エジプト/27歳/男性)

・「残念ながらシリアには寿司がない」(シリア/35歳/男性)

・「イランには寿司がない。基本的に生ものを食べない。日本に来て初めて寿司を食べた」(イラン/28歳/女性)

総評

エリアによってコメントが異なるが、総じて言えること「日本で食べる寿司が一番」ということだろう。海外では流通の問題で鮮度が落ちるところも少なくなく、それ以前に、その国・地域で好まれる魚の種類も異なる。筆者もとあるフランス人に、「寿司は大好きだけど、タコやイカなど苦手な魚が多いから、基本的に魚よりも肉の方が好き」と言われたことがある。商売として寿司屋を営む上で、その国・地域に合ったネタに限定されるのは否めないだろう。

アジアでは母国とあまり変わらないという声もあったが、台湾のようにファミリーレストラン風になっているなど店の雰囲気が違うこともあるようだ。寿司屋のほかにも、例えば香港や台湾の吉野家では牛丼のほか麺類などの定食も提供しているなど、日本とはまた違った展開をしていることもあり興味深い。一方、中東では寿司を提供する店がまだ多くないようだが、今後、拡大展開されることに期待したい。

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