"アニソン四天王"が集結

アニメソングを手がけてから今年でちょうど50年を迎える日本コロムビアが、9月27日、Zepp Tokyoにて『日本コロムビア アニソン 50th THE LEGENDS』と銘打ったアニソンライブを開催。"アニソン四天王"と称される、ささきいさお、水木一郎、堀江美都子、大杉久美子らアニソン界のレジェンドたちが集結した。

チケットは完売、1,300人の熱烈なファンで満席となった会場は、開演前より熱気で充満。司会の古川登志夫による「今日は最初からずっとクライマックスだぞー!」の掛け声に観客が歓声で応じると、水木一郎の「マジンガーZ」(作品『マジンガーZ』)で幕を開ける。その後、堀江美都子が「ボルテスVのうた」(作品『超電磁 マシーン ボルテスV』)、ささきいさおが「ゲッターロボ!」(作品『ゲッターロボ』)で客席を圧巻する。

鳴り止まない拍手の中、大杉久美子も登場し、"アニソン四天王"がステージに並びトークを繰り広げる。当日はニコニコ生放送によるライブ生中継も行われており、水木は「マジンガーZ」歌唱中に『Z』のコメントが多数流れていたことを報告。古川は「ZZZ…となったらまるで眠っているようですね」と返し、会場の笑いを誘った。

その後、前川陽子が「魔女っ子メグちゃん」(作品『魔女っ子メグちゃん』)、しまざき由理が「ハクション大魔王のうた」(作品『ハクション大魔王』)、影山ヒロノブが「聖闘士神話~ソルジャー・ドリーム~」(作品『聖闘士星矢』)、串田アキラが「ガツガツ!!」(作品『トリコ』)と、圧巻の歌唱パフォーマンスで畳み掛けるようにステージを盛り上げていく。続く"女子会"と称したトークコーナーでは堀江、前川、しまざき、大杉が登壇し、貴重なデビュー当時の話などに花を咲かせた。

続く男性アーティストのステージでは、タケカワユキヒデ「テイキング・オフ!」(作品『銀河鉄道999(劇場版)』)、影山ヒロノブ「スターダストボーイズ」(作品『宇宙船サジタリウス』)、ささきいさお「銀河鉄道999」(作品『銀河鉄道999』)、水木一郎「キャプテンハーロック」(作品『宇宙海賊キャプテンハーロック』)と力強いパフォーマンスで会場をさらなる熱気で包み込む。

ささきいさお

水木一郎

その後のトークでは、この日最年少での出演となった影山が、生中継に"長老が最年少"とのコメントがあったことに触れ、「不思議なことが起こっている」との困惑した仕草に、会場は笑いに包まれるなど、あらためてアニソンの歴史とその層の厚さを感じさせるワンシーンがみられた。

続いてはメドレーコーナーへ突入。『世界名作劇場』より、大杉久美子が「よあけのみち」(作品『フランダースの犬』)、「草原のマルコ」(作品『母をたずねて三千里』)、「ロックリバーへ」(作品『あらいぐまラスカル』)、堀江美都子が「グローイング・アップ」(作品『私のあしながおじさん』)を披露。どの楽曲もイントロより歓声があがり、今なお燦然と輝きを放つアニメソングのパワーを思い知らせる。

そして映像コメントコーナーでは、今年生誕90年を迎えた作曲家・編曲家の渡辺宙明、日本コロムビアでアニメソングを手がけていた松橋繁、作曲家・編曲家の田中公平よりビデオメッセージが到着。アニメソングに向けた思いや当時の貴重な裏話などを披露し、伝説の夜に花を添えた。

その後はエンディング・テーマからの選曲で、ささきいさお「青い地球」(作品『銀河鉄道999』)、前川陽子「夜霧のハニー」(作品『キューティーハニー』)、堀江美都子「あしたがすき」(作品『キャンディ・キャンディ』)、水木一郎「ルパン三世 愛のテーマ」(作品『ルパン三世』)と続く。オープニング・テーマと異なり、じっくりと聞かせる選曲に飲み込まれていく会場は、一曲一曲盛大な拍手に包まれた。

そしてここで特別出演の弘田三枝子がステージに。1965年12月に『ジャングル大帝』主題歌「レオのうた」のシングルレコードを発売し、日本コロムビアがアニメソングを手がけて今年で50年。弘田の登場はまさに"伝説"の一夜を感じさせ、会場の熱気と興奮もひとしお。弘田三枝子「レオのうた」(作品『ジャングル大帝』)、タケカワユキヒデ「THE GALAXY EXPRESS 999」(作品『銀河鉄道999(劇場版)』)、大杉久美子「ドラえもんのうた」(作品『ドラえもん』)、しまざき由理「みなしごハッチ」(作品『昆虫物語みなしごハッチ』)と、会場をますます加熱させていく。

ライブも終盤に差し掛かる。ステージを走りまわるパフォーマンスを繰り広げた影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」(作品『ドラゴンボールZ』)、歌唱だけでなく衣装でも会場を虜にした前川陽子「キューティーハニー」(作品『キューティーハニー』)、圧巻の歌唱に観客も拳を突き上げ応じた串田アキラ「キン肉マン Go Fight!」(作品『キン肉マン』)と、50年の歴史を感じつつ、当時の勢いそのままで再現される名曲の数々。そして自身も"親友"と語る名曲・堀江美都子「キャンディ キャンディ」(作品『キャンディ・キャンディ』)、会場を更なる一体感に包み込んだ水木一郎「バビル2世」(作品『バビル2世』)、そしてその力強い歌声に自然とシンガロングを巻き起こしたささきいさお「宇宙戦艦ヤマト」(作品『宇宙戦艦ヤマト』)で、本編は幕を閉じた。

鳴り止まない拍手の中迎えたアンコールでは、当日の出演者全員で登場。時にマイクを会場に向け繰り広げた「海のトリトン(Go! Go! トリトン)」(作品『海のトリトン』)、その興奮冷めやらぬまま続く「ガッチャマンの歌」(作品『科学忍者隊ガッチャマン』)を熱唱し、伝説のライブを締めくくった。

最後に水木は「50年という記念すべきライブに出演できてとても幸せでした」、ささきは「僕は『ガッチャマンの歌』を歌ったのがきっかけでアニメソングに誘われたので、今日はその思い出の曲をみんなで歌えてよかったです」、そしてスペシャルゲストの弘田は「こんな素晴らしい50周年の記念ライブに参加できて本当に幸せです」と目を輝かせていた。

なお、9月23日には日本コロムビアより、50周年記念アルバム「これだけは知っておきたい50曲のアニメソング」が発売されているので、こちらもあわせてチェックしておきたい。