損害保険ジャパン日本興亜(以下損保ジャパン日本興亜)は24日、外国人旅行者が日本入国後に加入できる業界初という「訪日旅行保険」を開発したと発表した。同保険は、外国人旅行者の日本滞在中の病気やケガによる治療費用などを補償するインターネット加入専用保険。2016年2月以降に販売を開始する予定。

旅行保険に加入していない外国人旅行者の割合は全体の約30%

2014年の訪日外国人旅行者数は、過去最高の約1,341万人に到達し、日本政府は東京オリンピックが開催される2020年までに年間2,000万人とする目標を掲げている。一方、外国人旅行者は、日本滞在中の病気やケガの際に、「どの医療機関に行くべきかわからない」、「健康保険にどの給付がないため、自己負担が高額になりやすい」、「言葉が通じない」など多くの不便さや不安を抱えているという。また、海外旅行保険が普及していない国や地域も多数あることなどから、観光庁の調査によると、旅行保険に加入していない外国人旅行者の割合は全体の約30%にのぼり、2015年6月に日本政府が定めた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2015」では、外国人旅行者の医療費に対する不安軽減のための旅行保険の普及についても明記されているという。

損保ジャパン日本興亜グループでは、これまでも外国人旅行者の受入れに向けた環境整備の一環として、海外グループ会社などを通じて、海外で加入する日本向け旅行保険の開発・普及に力を入れてきたという。このたび、損保ジャパン日本興亜は、外国人旅行者へ更なる安心・安全を提供するために、観光庁との協議を重ね、外国人旅行者が自国で旅行保険に加入せずに日本に入国した場合でも、入国後に加入できる「訪日旅行保険」を独自に開発した。

商品・サービスの概要

「訪日旅行保険」は、外国人旅行者自身のスマートフォンなどから簡便に加入できるインターネット加入専用商品であり、英語・中国語・韓国語に対応する予定。サービス面においては、専門の医療アシスタンス会社と提携し、約800の医療機関でキャッシュレス治療を提供し、また医療知識のある専用のコールセンターを配備することで、外国人旅行者に安心して治療を受けてもらえる環境を整備するという。

(1)医療機関手配サービス

(2)医療通訳サービス:医療の専門知識を有するコールセンタースタッフが、英語・中国語・韓国語での三者間通話に対応。24時間・365日利用可能

(3)キャッシュレス治療サービス:大都市・観光地を中心とした国内約800の協力医療機関において、キャッシュレス治療を提供する

保険加入およびサービス利用フロー

損保ジャパン日本興亜は、空港、ホテル、鉄道・バスなどの交通機関、旅行会社など、保険加入を推奨する箇所を幅広く設置し、利便性の高い商品・サービスの提供を通じて、外国人旅行者の安心・安全の充実に貢献していくとしている。