人気アニメを初めて実写化したドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)が21日、放送された。ネット上でさまざまな声が上がる中、「ホッとしています」と吐露したのは主要キャストの1人を務めた女優・飯豊まりえ。ブログをさかのぼると、その不安や葛藤が浮かび上がってくる。

実写ドラマ版『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で、つるこ役の飯豊まりえ(左)とあなる役の松井愛莉

本作は、フジテレビ系で2011年4月~6月にかけて放送された同名のオリジナルTVアニメが原作。埼玉県秩父市を舞台とし、若くして事故で亡くなった"めんま"こと本間芽衣子の幽霊を追って、子どもの頃の仲良しグループ「超平和バスターズ」の高校生5人が再び集まり繰り広げられる「喪失と再生」の物語を描き、「大人も泣けるアニメ」として話題を呼んだ。2013年にはアニメ映画化もされ、興行収入10億円を記録した。

ドラマで飯豊が担当したのは、「超平和バスターズ」の一員"つるこ"こと鶴見知利子役。めんま(浜辺美波)の死によって離れ離れになってしまった幼なじみグループの中で、しっかり者として冷静に皆を見守る。その一方で、同じ高校に通う"ゆきあつ"こと松雪集(志尊淳)に幼少時から思いを寄せていながら、さまざまな人間関係や恋慕のもつれによって、そのことを言い出せずにいるという複雑なキャラクターを演じた。

放送後の22日深夜に更新されたブログでは、「たくさんの人に愛されている作品だからこそプレッシャーをとても感じていて正直、放送されるまでもちろん楽しみにしていましたが怖かったです」と告白。同時に、撮影期間を「悔しい思いをたくさんしました」と振り返り、「このままじゃ、自分はいけない。前に進めないんだ」という"女優としての壁"にぶつかったことにも触れた。

「つるこのこと、あの花という作品知れば知るほど大好きになりました」と大役の喜びを真っ先に伝えながらも、「でもとても苦戦しています」と正直に打ち明けたのはドラマ化が発表された6月17日のこと。「たくさんの人に愛されている作品なので実写化も愛していただけるよう納得がいくまで何度もスタッフ一団となって挑戦している真っ最中です」という言葉からも、大人気アニメ実写化のプレッシャーと必死で向き合う姿がうかがえる。

クランクアップを報告した8月3日付の投稿では「愛される作品になるといいなあ」と期待を寄せた飯豊。その言葉どおり、放送日まで複数回にわたって同作の話題を取り上げた。2カ月間におよんだ撮影は平坦な道のりではなかったが、放送後に「精神的にも身体的にも本当に鍛えていただきました」とつづるなど、"女優・飯豊まりえ"を一回り成長させる。「つること出会えて良かった。この作品に携わる事ができて本当に幸せです」に加えて、共演者やスタッフ、そして視聴者へ感謝を表しながら、「いま嬉しいお言葉をリアルタイムで頂いてホッとしています」とつづった。

実際に、TwitterをはじめとするSNS上ではオンエア直後から、飯豊に関する投稿が多く見られた。中でも目立っていたのは、その演技力を評価する声。「演技上手ですね!」「演技に見いっちゃってすごいな~って思った」などのほか、飯豊が懸念していた"つるこ役"についての言及も。「今までの役の中で1番泣いてる部分も多かったと思うけど全てつるこらしい演技でさすがでした!」「つるこ役ピッタリ! 素晴らしい!」のような意見や「アニメファンですが、実写版もすごく良かったです。つるこ役、すごい上手」「アニメを壊さず良い作品に仕上がっていたよ」「まりえさんのつるこ最高でした!」のように、原作ファンからの支持も集めた。

飯豊は、前クールまでゴールデン帯の地上波連続ドラマに4クール連続で出演し、NHK連続テレビ小説『まれ』の最終章のレギュラーキャストとして沢沙耶役に抜てきされた。現在発売中のファッション誌『Seventeen』(集英社)10月号では、共に専属モデルを務める女優・広瀬すずと表紙を飾ったほか、今月19日放送のフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』に"ワイドナ現役女子高生"としてゲスト出演するなど、幅広い分野で活躍している。