俳優のジョニー・デップが現地時間14日、カナダで開催中のトロント国際映画祭にて行われた主演映画『ブラック・スキャンダル』(2016年1月30日公開)の北米プレミアに登場した。

左からジョニー・デップ、スコット・クーパー監督、ジョエル・エドガートン

ジョニー・デップが、アメリカ犯罪史上最大のスキャンダルを巻き起こした実在のマフィア、ジェイムズ・"ホワイティ"・バルジャーを演じる本作。ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ、ケビン・ベーコンら豪華俳優陣がそろう。北米プレミアには、主演のジョニー・デップをはじめ、ジョエル・エドガートン、ダコタ・ジョンソン、ジュリアンヌ・ニコルソン、そしてスコット・クーパー監督らが集結。殺到したジョニー・デップファンの熱狂に包まれた。

ジョニー・デップは「ジェームズ・バルジャーの話は知っていたし、魅了されていた」とコメント。「実在しないキャラクターの場合は、誇張することができる。だが、実在した人、あるいは今も実在する人を演じる場合は、その人、真実、歴史に対する責任を背負うことになる」と言い、「ジェームズ・バルジャーの外見をできるだけ正確に再現することは、とても重要だった。そのために、僕は、メイクアップアーティストと一緒に、顔の作りからすべてをじっくりと考えた。メイクのプロセスには、毎日2時間かかったよ」と明かした。

ジョエル・エドガートンは、彼が演じたジョン・コノリー本人には会わなかったそうで、「彼は、この出来事を違った側から受け止めていて、自分はスケープゴートにさせられたと感じている。そんな彼に『映画を作るから話を聞かせて』というのは、変な話のような気がした。彼の同僚から彼についてたっぷり話を聞けたりして、素材は十分にあったしね」と説明。「それに、これは真実にもとづく映画だが、あくまで、僕らのバージョンの真実だ。ジェラード・オニールとディック・レイアが書いたすばらしい原作本をもとに、スコットが持つビジョンに従って語る真実。そして僕は、僕のバージョンのジョン・コノリーを演じたんだ」とギャングに操られることになるFBIエージェント役に挑んだ心境を語った。

そして、スコット・クーパー監督は「今作は、ドキュメンタリーではない。映画にふさわしいストーリーは、精神面、感情面、人間性から来る。僕はギャング物を作るつもりはなかった。キャストやクルーにも『これは人間ドラマだ』と言ったんだ」と断言。また、「ジョニーの変貌のしかたには、すごいものがあったね。スクリーンで見る彼は、彼本人とは似ても似つかないんだ」と、ジョニー・デップの演技に対する姿勢をたたえた。

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