2015年7月より放送開始となったTVアニメ『がっこうぐらし!』より、第10話「あめのひ」のアフレコ終了後に行われた、くるみ役の小澤亜李、めぐねえ役の茅野愛衣、太郎丸役の加藤英美里へのキャストインタビューが届いたので紹介しよう。

TVアニメ『がっこうぐらし!』、第10話アフレコ終了後のキャストインタビュー

――第10話では、ついに《かれら》化しためぐねえが姿を見せました

茅野「はい、そうですね……。『あ゛~』ってやりました(笑)」

小澤「姿はアレでも、声は茅野さんっていう(笑)」

茅野「いつ《かれら》化しためぐねえの声をやるのかと思っていたんですけど、今回でしたね。ついに来てしまいました」

――実際に演じてみて、いかがでしたか?

茅野「うーん、どこまでめぐねえを残すかは、すごく悩みましたね。ただ本番では、くるみちゃんの声を聞きながら『こんな感じかな』と、自然に出た感じでやらせていただきました。思った以上に怖そうな感じになって、よかったです(笑)」

小澤「特にAパートの最後が怖かったです(笑)」

――くるみたちにとってもつらい展開になりましたが、演じてみていかがでしたか?

小澤「台本を読んだときから『つらいな』と思っていたんですが、実際に映像を観ているとどんどん……。ひとりで練習していたときよりも悲しい気持ちになりましたね。思わずため息をついてしまったり」

加藤「現場でもみんな、ため息をついてましたよね」

小澤「前半、後半と順番に収録が進んで、終わったあとに『はぁ、やだなぁ……』って。いのりちゃんは、前半のテストが終わったところで『帰りたい』って言ってましたし(笑)」

加藤「今までにない空気感だったよね」

茅野「そうそう。みんな、その場にいるのがつらくなって、帰りたくなってた(笑)」

小澤「当然、台本を読んでいるので、後の展開はわかっているんですけど、でもやっぱり『あのシーン(※めぐねえと対峙する場面)はつらいな』と。自分の友だちだったり、大好きな人に手をかけるというのはつらいですよね。今まではクラスメイトと対峙したときでも、こう、画面にモヤがかかったような状態でしたけど、めぐねえのときは、どうしてもモヤをかけられなかったんだろうな、って」

茅野「以前、先輩の話があったじゃないですか。あれでもう、かなりしんどくなってて、そのうえで大切な人を手にかけなければいけない。くるみちゃんの気持ちを考えただけでつらいし、助けてあげたくなるんですけど、でも私はめぐねえを演じているので、彼女を襲わないといけないという」

加藤・小澤「あはは(笑)」

茅野「もう、心がメチャクチャ(笑)。たぶん、めぐねえもツラかったんじゃないかなと思うんですよ。意識はないんですけど、大好きだった子たちを襲わなきゃいけないというのは、かなり精神的に来てるんじゃないかと思いました」

――しかも、めぐねえはまだ少し、昔の記憶が残っているような描写もありました

茅野「そうですね、あの日記のところがもう……」

加藤「みんなの名前を……」

茅野「あそこもつらかったですね。しかも血がシャッと飛び散って」

小澤「くるみの血が」

茅野「『やめて~!』っていう」

小澤「太郎丸も、血が涙のように流れているカットがあって。『やだよ、やだよ』って思ってるのかなって。なんだか可哀想な気持ちになりました」

――そういえば、加藤さんも今回、《かれら》の役をやられているんですね

加藤「そうなんです。《かれら》の犬バージョンをやらせていただきました」

小澤・茅野「あはは(笑)」

加藤「でも収録していると、今まで仲良くしてもらっていた思い出が蘇ってきちゃいましたね。家でビデオをチェックしているときにも、泣いてしまいましたし……。なかでもやっぱり、美紀。もちろんみんなに対する思い入れも強いんですけど、特に――最初は仲がよくなかった美紀に対する思い入れが強くて。Bパートで、『太郎丸を助けられなかった』と聞いたときの美紀の反応と、そのあとに映る太郎丸のエサ入れのカット。あれを観て泣いたときの美紀の姿はやっぱり……」

茅野「みんな、食器にイラストというか似顔絵が描いてあるじゃないですか。太郎丸のエサ入れにもちゃんと『太郎丸』って名前が書かれてて、『あああ……』という」

加藤「愛情がどこにも行けずに取り残されている、みたいな。すごく切ない気持ちになりました」

茅野「ぽつんと置かれているのが、なお一層切なくて。犬を飼ってる人だったら、号泣しちゃうかもしれない」

小澤「私もビデオチェックの途中で一旦止めて、家で飼ってる犬を触りにいきました(笑)。『ああ―! きみは生きてるね!』って」

――茅野さんはどのシーンが印象的でしたか?

茅野「今回、回想シーンで髪を切る場面があったんですが、『ああ、ここだったんだ』と。たぶんみなさんのなかには、めぐねえの髪が短くなったり、長くなっていたり、気になっていた方もいたと思うんです。で、『なるほど、時系列的にはこのタイミングなのか』と思っていただけたんじゃないかな、と」

小澤「今までの伏線がここで繋がる」

茅野「そうそう。ゾッとしたり、いろんな思いを抱いてもらえたかな、と思います」

小澤「きっと第3話を観直すことになりますね(笑)」

――もうひとつ、第10話を観ていて、物語のカギを握ることになるのはやはり、ゆきかなとも思いました。みなさんから見て、彼女の姿をどのように受け止められていますか?

小澤「ゆきはやっぱり、すごく友だち想いで。くるみに対してもそうでしたけど、ちゃんと動ける子なんですよね」

加藤「『いざというときには助けてくれる』と、くるみも前に言ってましたしね。きっと本能的に『みんなが困っているなら、わたしがなんとかしなきゃ』と行動したんだろうな、と」

茅野「あの真っ直ぐさはどこからくるんだろう? 今日、みんなで話してたんですけど、きっと『がっこうぐらし!』は、ゆきちゃんがいないと成り立たないんですよ。もしゆきちゃんがいない状態で、くるみちゃんが《かれら》化してしまったら、残されたりーさんが彼女を手にかけて、みーくんはそれを見てるだけで……って」

小澤「絶対に上手く行かないですよね」

茅野「あと、みーくんがいなくても無理かな」

加藤「もしショッピングモールでみーくんと出会っていなかったら、りーさんは暴走してそうですよね。《かれら》化した胡桃を手にかけて、そのあとゆきちゃんも自分もろとも……っていう」

小澤「うわー! バッドエンドー!!」

加藤「でも、りーさんならやりかねない(笑)」

小澤「もう限界が来てますからね」

茅野「『私が楽にしてあげる』で、『がっこうぐらし!』完! みたいな(笑)。だからやっぱり、誰が欠けてもたぶん、この話は成立しないんだなというのは、すごく感じるんですよ。そもそもりーさんがいなかったら、学園生活部は今みたいな形で成り立っていないだろうし」

小澤「たぶん誰ひとりとして生き延びられなかったんじゃないかな、っていう」

茅野「今日はそんな怖い話をしてました(笑)」

――物語的には、そろそろクライマックスという展開になってきましたが、このあとの展開で気になるポイントはどこでしょうか?

小澤「うーん……。そうですね、胡桃も太郎丸も、まだ感染して間もないので、助かるのかどうか。やっぱりそこが気になります。ただ、オリジナルの要素がたくさん入っているので、全然先の展開が読めないんですよ。スタッフさんに聞いても『お楽しみに!』って、教えてくれないし……」

茅野「私たちは、わりと聞いちゃってるかもしれないですね」

小澤「あっ、そうなんですね!」

加藤「そう、《かれら》側なので(笑)。ざっくりと『こういう感じです』というのを」

小澤「あ~っ!(笑)」

茅野「そもそも私は、途中で出番がなくなる作品だと思っていたので。第3話の時点で、『あと2話くらいかな』と思っていたので、こんなに長く出演することになるとはっていう(笑)」

加藤「ただ、4人にはやっぱり無事に助かってほしいなとは思いますね。そういう希望は持ちたい」

茅野「だよね。そのための犠牲と思えば苦じゃない(笑)。たぶん、太郎丸にしてもめぐねえにしても、それぞれに決着がつくとは思うので、そこがどんなふうに描かれるのか、楽しみにしてますね。ちょっと怖いですけど(笑)」

加藤「太郎丸を演じている以上、このあとの太郎丸がどうなるのかが一番、個人的には気にはなりますね。第10話で『薬があるかも』みたいな話が出てきましたが、どれくらいの量が残ってて、どう使われるのか。胡桃だけを助けられるのか、それともほかの人も助けてあげられるのか、そのあたりも気になります」

TVアニメ『がっこうぐらし!』は、毎週木曜、TOKYO MXほかにて放送中。なお、2015年9月26日には、Blu-ray/DVDの第1巻がリリースされるので、あわせてチェックしておきたい。

(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会