老化の典型的な症状の1つとして「耳が遠くなる」というものがありますが、その原因は老化だけではないということをご存じでしょうか? また、あることを心がければ老化は遅らせることもできます。ここでは、音・環境プロデューサー 大橋智夫氏の著書「聴くだけで不調が消える 水琴の音CDブック」(監修: 癒しの杜にしかわクリニック院長 西河潤先生) をもとに、耳のトラブル対策のポイントをお伝えしましょう。

「聴くだけで不調が消える 水琴の音CDブック」(学研パブリッシング) より

若者よけには高周波!?

高周波の音 (モスキート音) を人工的に発生させる装置が開発され、若者がたむろして困っている店などが店頭でそれを使い、「若者よけ」に成功している……そんなニュースが数年前にありました。

これはどういうことかというと……

人は年齢を重ねると耳も老化し、高周波の音が聞こえにくくなります。そこで、耳に不快な高周波の音を発生させれば、それが聞こえる若者はそこから離れようとする、つまり「若者よけ」になるというわけです。

なお、この高周波の音には "耳に心地良い音" と "心地悪い音" があるので覚えておきましょう。

現代人は耳の老化が早い

では、耳の老化とはどのようなことを指すのでしょう。

簡潔に表現すると、耳の老化とは上述の「高周波をキャッチできなくなる」状態のことです。

ここでいう高周波とは1秒間に振動する波の数が多く、揺れも速い音のことです。その波の揺れの速さについていけなくなるのが耳の老化です。しかし、高周波の音が聞こえなくなるのは耳の老化だけが原因ではありません。

実は現代人は、車や電車の音、冷蔵庫や換気扇の音など、四六時中低周波の音に囲まれて暮らしています。この低周波に囲まれた環境が耳に悪影響を与え、高周波をますます聞こえにくくしているのです。

「聴くだけで不調が消える 水琴の音CDブック」(学研パブリッシング) より

自然に親しむことが老化防止につながる

では、そんな環境の弊害に対抗するためにはどうしたらいいのでしょうか? それは、高周波成分の多い自然の音に親しむことです。

週末に人の集まるところに出かけてショッピングなどを楽しむのもいいのですが、自然に触れることを心がければ、実は耳の老化を遅らせることができます。

川のせせらぎ、鳥のさえずり、波の音……このような自然の音を聞けば、耳に良い影響を与えるのはもちろんのこと、精神的な安定ももたらしてくれるため、一石二鳥となります。

耳の老化についてさらに詳しく知りたい場合は、「聴くだけで不調が消える 水琴の音CDブック」(学研パブリッシング) をご参照ください。

教えてくれたのは……

大橋智夫さん
音・環境プロデューサー。有限会社ティーズ・コーポレーション代表取締役。京都大学農学部農業工学科卒業。在学中は水利工学を専攻したが、卒業後は音楽の道へ。音が心身に及ぼす影響を研究し、日本の音文化に注目した音空間デザインを手がけてきた。水琴窟の研究者から資料を託されたことをきっかけに、大学時代に学んだ知識とこれまでの音研究の両面から水琴窟を考究。日本独自の文化である水琴窟を現代に復活させ、さらに音響技術を駆使して、超高周波発生装置の「水琴(みずごと)」を開発した。

西河潤先生
癒しの杜にしかわクリニック院長。統合医療を実践する内科医。京都大学総合人間学部卒業ののち、大阪大学医学部を卒業。大病院で糖尿病内科医として勤務していたが、がんの友人を失ったことをきっかけに2014年に大阪で開業。病気があっても幸せな人を増やしたいという想いを持ち、食や運動、心の持ち方の指導をしつつ統合医療を行っている。

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