日本でも大ヒットした海外ドラマ『glee』でメガネと車いすがトレードマークの青年アーティを演じた俳優ケヴィン・マクヘイルが、1人の少年の合唱団での成長を描いた『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』(9月11日)で合唱団の教師ウーリー役を熱演している。『glee』では生徒役だったケヴィンだが、今回は生徒たちを温かく見守る教師として、新たな一面を披露。このたび、本作での役作りや撮影の裏話について明かした。

教師ウーリー役のケヴィン・マクヘイル

ケヴィンはウーリー役へのアプローチについて「僕には姪や甥がたくさんいるんだ。"クールな叔父さん"が僕の自慢だ。だからそういうふうに考えた。そういう力関係ならわかるしね」と説明し、「楽しかったよ。子供たちはすごい才能の持ち主なんだ」とコメント。ウーリーと子供たちとの関係は「ほかの教師たちとは違う」と言い、「年齢がずっと近いし、生真面目に教えようとはしていない。彼は子供たちに笑いと楽しい時間を提供したい。それに基礎を習う時はそんなに真剣じゃなくてもいい。でも進級するごとに、もっと真剣に学び、もっとプロ意識を高めなくてはならない。そこが面白い。僕はある意味間抜けた教師だからね」と語る。

また、「ダスティン・ホフマンやキャシー・ベイツやエディ・イザードとの共演は夢のようだ。鳥肌が立つよ」と豪華キャストとの共演に興奮。「現場ではクールに演じようとしたけど、できっこないよ。みんなをだまして大人ぶってる高校生みたいに感じる」と振り返り、「僕の人生で一番超現実的な経験」と表現した。

そして、「指揮を習うのは怖かった。概要だけ習って、実際に本当のアメリカ少年合唱団を指揮したんだ。とても怖かった」と指揮をした感想を伝え、「ダスティンとエディと僕はビクビクしていたよ。でもあの2人がビクついたら、僕はどうすればいいんだ?」とコメント。アメリカ少年合唱団についても、「あんなにプロフェッショナルな子供たちは初めて見たよ。どうしたらあんなにできるのか。彼ら全員上品にうなずき、無駄口をきかず、長時間立っていられる」と語り、「最高の子供と共演できてとても楽しかったよ」と振り返る。

フランソワ・ジラール監督のことも「狂気の天才だ」と絶賛。撮影時にダスティンが「いいね、彼の演出法はいい。だって色を重ねるから」と言ったエピソードを伝えた上で、「フランソワは、どのシーンでも一つのやり方をしない。誰かに即興や何か違うことをするアイデアがあれば、彼は全部受け入れる。だからどのテイクも僕たちは何か違うことをして、できるだけリアルにし、キャラクターならどうするかを考える。脚本にないことでも、『これをやろう、あれをやろう、カメラを動かそう』と言う。彼はシーンにできる限り本物の命を吹き込みたいんだ」と明かす。さらに、「とても情熱的だ。どんなにささいなシーンでも彼はとても大事にする。それが全員に伝染する。素晴らしい仕事の仕方だ」と続けた。

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