イデーは8月11日~23日、イデーショップ 東京ミッドタウン店(東京都港区赤坂)にて、林剛志氏による作品展「Kawara: Tsuyoshi Hayashi exhibition」を開催する。

「Kawara: Tsuyoshi Hayashi exhibition」を開催

廃棄される瓦に、新たな価値を見いだす

同イベントは、「KONICA MINOLTA ソーシャルデザインアワード2015」IDÉE協賛社特別賞を受賞した林剛志(はやし・つよし)氏による作品展。

林氏は、1979年生まれ、名古屋市出身。2007年、Design Academy Eindhovenに入学。ピート・ヘイン・イークでのインターンの後、卒業制作として"Kawara Bench"を発表した。2013年、オランダにstudio tsuyoshi hayashiを設立後、ケルン国際家具見本市"D3 Design Talents"、iF concept design award、ベルギー Biennale Interieur "the Interieur Awards 2014" など、ヨーロッパ各国にてデザイン賞を受賞している。

林氏の「kawara Shelf」を展示

日本の原風景を彩る瓦は現在工場により大量生産され、品質検査にて不良と選別されたものは大量に廃棄されている。不良の理由はカケやヒビなど微細なものが多く、ゆるやかなカーブを描くその素材には、まだ瓦ならではの価値が残っているという。同氏の「kawara Shelf」は、「美しく、耐久性があり、伝統的なこの素材のために何かできることはないか」という思いから生まれたという。

「kawara Shelf」は、不良箇所が裁ち落とされ、一定のサイズに切り揃えられた瓦を、シンプルな木組みの構造に棚板として収めたデザイン。瓦の工場から産み出される廃棄瓦を使用することで、瓦製造業者の廃棄処理費用や環境への負荷を減らすことにつなげる。また、先人が手塩にかけてつくりあげてきた日本のかたちを壊すことなく、新たな命を与えることにもなる。

日本の伝統的な素材である瓦やその価値について考えるきっかけに

イデーは、「『いらないゴミ』は『役に立つなにか』に変わる。同展は、氏の作品を通して、日本の伝統的な素材である瓦やその価値について考えるきっかけとなるかもしれない」とコメントしている。

開催期間は、8月11日~23日。開催場所は、イデーショップ 東京ミッドタウン店。営業時間は、11時~21時。なお10月29日~11月10日、デリエ イデー(新丸ビル)でも異なるテーマの展示を予定している。