本田技研工業(ホンダ)は6日、新たに同社代表取締役社長執行役員に就任した八郷隆弘氏の会見を行った。「新しいホンダを作っていきたい」と力強く語り、2つのテーマを掲げて今後のホンダの方向性を示し、キーワードを「チームHonda」とした。

社長会見に登壇した八郷隆弘氏

八郷氏は新しいホンダに向けてのテーマとして、「グローバル6極体制の進化」「ホンダらしいチャレンジングな商品を継続的に開発し、全世界のお客様にお届けしていくこと」の2つを挙げた。6極体制に関して、ホンダはこれまでも世界各地域で生産・販売・開発などを行ってきた。次のステップとして、地域間での相互補完や生産配分に取り組む。アフリカでは初めて、「アコード」の生産をアルジェリアで開始する。

若いアソシエイトの提案から新しいチームが生まれ、形になった「S660」や、ビジネスジェット機「ホンダジェット」のようなチャレンジングな商品を生み出すことにもこだわるという。具体例として、新型燃料電池車の今年中の発売、ダウンサイジングターボを搭載する次期「シビック」、脚力が低下した人のための「歩行アシスト」の今年中の事業化などを挙げた。

八郷氏は自身のホンダでのキャリアを紹介しながら、ホンダはひとりひとりの個性が重なり合った「チーム」を生み出したとき、力を発揮する会社だとし、そのチームに大切なものは、意見をぶつけあい、徹底的に議論ができる現場だとしている。その上で、自分の役目は、現場が主体的に動けるボトムアップの環境づくりだと述べた。