トレンド総研と、細菌やカビなどの微生物による環境や健康への影響に関する研究を行う衛生微生物研究センターはこのほど、「梅雨の"食卓菌"に関する意識・実態調査」の第1弾報告を発表した。同調査は代~40代の主婦500名を対象として、4月27日~30日にインターネット上で実施したアンケートを集計分析したもの。

子供のいる家庭でニーズの高い「台ふきん」

「台ふきんは家にあるか」を聞いたところ、84%が「ある」と答えた。次いで、「台ふきんで拭いている場所」を複数回答形式で聞いたところ、上位2項目は「食卓」(88%)と「食卓の上の食べこぼし」(70%)だった。以下「調理台」(64%)、「コンロ周り」(54%)、「電子レンジ」(31%)と続いた。

子供のいる家庭では台ふきんの使用頻度が高い

「子供のいる家庭」と「子供のいない家庭」で比較したところ、食卓での台ふきんの使用状況が大きく異なった。例えば、「食卓を台ふきんで拭いている」という人の割合は、子供のいる家庭では91%、子供のいない家庭では77%。「食卓の食べこぼしを拭いている」という人の割合は、子供のいる家庭では73%、子供のいない家庭では56%となった。

さらに、82%が「台ふきんにおける、菌の存在が気になる」と回答した。自由回答形式で聞いたところ、「台ふきんは不衛生な気がして使いたくない」「台ふきんではなく、毎回使い捨てで、ティッシュにアルコールを付けて拭いている」など、台ふきんを避けているとの声も寄せられた。

10センチメートル四方に100万個以上もの食卓菌がいた!

この結果を受け、衛生微生物研究センターでは、台ふきんの使用による「食卓菌」への影響について明らかにするべく実験を行った。梅雨の時期に想定される台ふきんを使用する一般家庭の食卓の環境を再現。1週間に1回程度、食卓で使用する台ふきんを漂白する家庭を想定し、汚染された台ふきんで食卓を1回、5回、10回拭いた後、食卓菌の数を調べた。また、こうした食卓菌対策として、アルコール除菌を行った際の菌の数の変化についても同様に測定した。

アルコール除菌で菌がほぼゼロに

その結果、1日1回でも10回でも、台ふきんで拭く頻度とは関係なく、1回でも台ふきんで拭いた食卓には、10センチメートル四方当たり100万個以上の食卓菌が付着することが明らかになった。また、梅雨から夏にかけてを想定した湿度、気温の高い環境は、菌が乾燥により死滅しにくく、16時間経過しても、10センチメートル四方当たり約50万の生菌数を認めた。

対してアルコール除菌をした際には、ほとんど菌がいない状態になることも分かり、食卓菌の対策におけるアルコール除菌の有効性が明らかになった。