IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は12日、他人の無線LANルータを不正に使用しネットに接続する、「ただ乗り」容疑で全国初の逮捕者が出た事件を受け、一般家庭における無線LAN利用に関する注意を喚起した。

当該の事件では、他人の無線LANルータの通信を解析して取得したパスワードを不正に利用し、インターネットに接続した疑いで松山市の男性が逮捕された。この事件を受け、IPAでは、家庭内の無線LANを不正利用された場合、「通信内容の盗み見」「迷惑メール送信や不正アクセス、違法ダウンロードなどの不正行為の身元詐称」「家庭内の無線LAN環境を利用している端末内のデータ窃取」といったリスクが発生すると指摘。不正利用の対策として、無線LANルータの暗号化設定を、突破リスクの高いWEPから、より安全性の高いWPA2-PSK(AES)に設定することを推奨している。

IPAが2014年10月に実施した意識調査では、調査対象の半数以上が、無線LAN通信の暗号化について「不明」または「設定なし」と回答したという。IPAは「無線LANアクセスポイントへの不正接続は気づきにくく、知らない間に事件に巻き込まれる可能性もある」として、注意を喚起している。

一般的な無線LANセキュリティの暗号化確認手順(図:IPA)