ジャストシステムは26日、日本語入力システム「ATOK」の最新版「ATOK 2015 for Mac」を発表した。6月26日から発売する。ATOK 2015 for Macの価格は、ベーシック版が9,800円、プレミアムが13,800円、Mac+Windows版が12,800円、ベーシック AAA優待版が5,000円、プレミアム AAA優待版が9,000円、Mac+Windows AAA優待版が8,000円、オールインワンパック AAA優待版が19,000円(いずれも税別)。対応OSはOS X 10.9~10.10。

ベーシック版

プレミアム版

Mac+Windows版

最新版の「ATOK 2015 for Mac」では、インタフェースをOS X Yosemiteに合わせた操作性とデザインに一新。機能面では、思考を先読みして入力していく「推測フォロー変換」機能や、豊富な選択肢の提示、思い出せない言葉の入力を支援する「類語ファインダー」などの機能強化が図られている。

ウィンドウカラーが変更できる(左から、ブラック・ゴールド・ホワイト)

「推測フォロー変換」は、数文字を入力するだけで後に続く言葉やフレーズを推測して入力支援するもの。新たに、複数文節を入力した場合でも、入力途中で推測候補が消えることなく、入力される読みに合わせて変換候補を提示し続ける機能を追加した。この機能により、「ATOK 2014 for Mac」と比べ入力効率が最大20%向上するという。

推測フォロー変換

また、「類語ファインダー」は、変換中の言葉から連想される類義語や言い換え表現を提示する「連想変換機能」を強化したもの。言葉の意味をニュアンスで分け、複数の連想変換辞書がある場合には横断して検索し、それぞれのニュアンスや連想変換辞書ごとに、類義語や関連語をより幅広く提示する。従来に比べ、多くの変換候補を解説付きで表示し、確認できることも特徴。

「略称文脈変換」は、入力中の文脈をもとに適切な変換候補を表示する機能の一種。略称を入力する場面でも、正式名称を入力後ならば略称が正しく変換される。また、自然科学、社会科学、人文科学の主要な分野から幅広く専門用語を収集し、新たに約10万語を追加した変換辞書を収録した。

「Office for Mac」と連携する「Office 連携ツール for ATOK 2015」を同梱。WordやExcelで作成した文章をATOKが解析し、単語学習して自動的に辞書登録を行う。

ATOK 2015 for Mac[プレミアム]

プレミアム版は、ベーシック版の機能に加えて、以下のような機能を持つ。

うろ覚えの言葉が入力できる「ATOKナントカ変換サービス」の1年間利用権が付属する。「ATOKナントカ変換サービス」は、言葉の出だし部分が分からない場合に、「なんとか」に続けて言葉の後半部分の読みを入力することで、その言葉全体を入力できる機能。例えば、行きたい美術館の名前が正確に思い出せない場合に、「なんとかびじゅつかん」と入力すると、「東京都美術館」「国立新美術館」などを候補ウインドウに表示する。

ATOK ナントカ変換

「類語ファインダー」を強化する「三省堂類語新辞典 for ATOK」を新搭載。約5万語を収録した。これにより、類語ファインダーで連想変換できる語彙数を増やし、言葉の選択に役立つ情報や文例も、変換候補と同時に参照できるようになった。例えば、「びっくり」の連想変換だと、ベーシック版の「驚く」「喫驚」に加えて、プレミアム版では「肝を冷やす」「ど肝を抜かれる」「腰が抜ける」といった候補を提示する。また、連想変換中に「control」+「W」で電子辞書検索すると、類義語の使い分けに関するコラムなどを参照できる。

「三省堂国語辞典 for ATOK」を収録。新聞や雑誌、書籍、放送、インターネットなどから実例を採取しているため、大辞典に載っていない現代語を収録しているのが特徴。

変換中のことばからリアルタイム翻訳が行える「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」を利用できる。また、ATOK連携電子辞書として「ジーニアス英和/和英辞典 for ATOK」を収録している。

類語ファインダー「びっくり」(左:ベーシック版、右:プレミアム版)

類語ファインダー「みずみずしい」(左:ベーシック版、右:プレミアム版)