パイロマニアを演じる津田健次郎

現在TOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』の新キャラクター「パイロマニア」役を、俳優としても活躍する声優の津田健次郎が務めることが25日、明らかになった。

本作は、主人公・草薙素子の過去と公安九課=攻殻機動隊の誕生の物語「border:1」から「border:4」の全4部作で描いた『攻殻機動隊ARISE』(2013年~2014年)を、シリーズ構成の冲方丁氏が初期案に基づいて再構成し、TVアニメ化したもの。ラストには2話のエピソードが追加され、6月20日公開のアニメーション映画『攻殻機動隊 新劇場版』へとつながるエピソードとなる。

『TIGER&BUNNY』のネイサン・シーモア役などでも知られる津田が演じるのは、新作エピソードに登場する新キャラクター・パイロマニア。シリーズを通して事件の発端、物語の核となっている「洗脳・ゴーストへの侵入・擬似記憶の形成」を一度に行う電脳ウィルス"ファイア・スターター"の信奉者として描かれ、炎を自在に操って素子たちに迫る。

出演が決定し、兼ねてから『攻殻機動隊』シリーズのファンだったという津田は「『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を初めて見たとき、こんなに静かで深いSF映画がありうるのだと、とても強い印象を受けました。ですからシリーズ最新作にあたる『ARISE』の出演依頼をいただいた時はテンションがあがりました」と作品に対する熱い思いを吐露。そのためアフレコでは「バトーの軽口を聞いたりすると、ついファンの視線に戻ってしまう」こともあったという。

また、自身が演じるパイロマニアは「感情を抑えて、淡々としゃべるキャラクター」であるため、「その中でどこまでセリフにエネルギーを込めていくか」という点に特に気を遣ったという津田。完成した映像を見て「パイロマニアと草薙素子の静かな戦いは、とても『攻殻機動隊』らしいものだと思いました」と振り返り、ファンに向けて「この全編から漂う『攻殻機動隊』らしさを楽しんでいただければうれしいです」と呼びかけている。

シリーズ構成を務めた冲方氏はパイロマニアについて、「ネットはあらゆる価値観を拡散させ、社会的なくびきからの逸脱を可能にします。そのためネットの拡大に社会が追いつけない時、社会よりもネットの価値を重くみる存在が現れます。パイロマニアはそれが行きすぎたキャラクター」と説明。新エピソードでは「組織構造からはじき出されている存在である素子が、素子らしい"戦い方"でパイロマニアに立ち向かっていく。そこを楽しみに見ていただけたらと思います」とコメントを寄せている。

新エピソード「#09 PYROPHORIC CULT 前編」は6月7日の22:30~(TOKYO MXほか)、「#10 PYROPHORIC CULT 後編」は6月14日22:30~放送される。航空機爆破テロの共同捜査要請を受けた公安9課は、電脳ウィルス「ファイア・スターター」のブローカーとされるパイロマニア捕獲のため包囲網を敷き、身柄を拘束。しかし、パイロマニアの正体と目されていたテロリストの遺体が発見されたことで事態は急変し、正体不明のパイロマニアは拘束を解き、素子たちを急襲する。

(C)士郎正宗・Production I.G / 講談社・「攻殻機動隊ARISE」