福岡県福岡市と西日本鉄道はこのほど、10年間で30棟のビル建替えをめざす市の計画「天神ビッグバン」を交通面で支えるため、連節バスや鉄道との乗継強化などによる新たな交通システム「都心循環BRT」の導入に共同で取り組むと発表した。

連節バスイメージ

「天神ビッグバン」は、ビル建替えの促進により天神地区の延床面積を今後10年間で約1.7倍に増やし、雇用者数も約2.4倍に増やそうとする計画。人の流れが都心部に集中することから、都市周辺部に設ける駐車場で通勤者などのマイカーを受け止め、都心部は公共交通で移動するしくみの構築を図るという。

今回発表された「都心循環BRT」は、バス車両2両を連結した連節バスで、「天神」「博多」「ウォーターフロント」の福岡市内3拠点を循環する新たな交通システム。シンボリックなバス停整備や鉄道・路線バスとの乗継強化などにより、従来のバスよりも速達性や定時性、利便性などを高め、わかりやすく使いやすいシステムをめざす。

事業の遂行においては福岡市がバス停上屋など公共空間の整備を担い、西日本鉄道が連節バス車両や整備場など運営に必要な施設整備と運行を担う。2016年度に連節バス2台を導入して運行上の安全性と課題の確認を行いながら段階的にシステム形成を進め、めどがつき次第、循環ルートでの本格運行へ移行していく予定だという。